ども、ナイキが多い岡田達也です。


『ジャージブス』
こんな言葉を聞いたことがあるだろうか?

国語辞典でも広辞苑でも調べてみてほしい。
おそらくは載っていないと思われる。

ネットなら何か出てきそうだけど……。

 * * *

キャラメルボックスに入団すると、まず最初に『新人練習』という名の拷問……
間違えた
『新人練習』という名の虎の穴入り……
これも間違えた
『新人練習』という名の特訓が待っている。

この期間、新人さんたちはしごかれる。
例えば
星一徹にしごかれた飛雄馬のように
あるいは
宗方仁にボコボコにされた岡ひろみのように
あるいは
荒川打撃コーチに付きっきりで指導された王貞治のように

成井さん指導の元、血反吐を吐く日々を過ごす。

大げさではない。
実際に上からも下からも血を吐いた人間はいた。
僕なんかは毎日、稽古場に向かう途中
「死なない程度に交通事故に遭わないものか?」
と真剣に考えていた。
そうでなければ舞台俳優など務まらない時代だったのだ。
近年では成井さんも歳を取り、ずいぶん丸くなったと聞く。

今思い出しても、あんなとこやこんなとこが縮む。
書いてる今ですら血尿が出そうだ。

そんな訓練の最中、成井さんが言った。
「岡田達也、それにしてもジャージブスだな!」

ん?
んん?
なんですって?

「だからジャージが似合わないってことだよ!」

はぁ……
そうなんですかね?
自分ではよくわからないですけど

「今までは西川浩幸が一番のジャージブスだったけど、オマエはそれを超えたよ!」

……褒められて、は、いない、よね、これって

「おめでとう!」

 * * *

街中でジャージブスの人を見かけると思い出すエピソード。

つまり……
あれから24年。
「ジャージブス」がどういう人なのか
僕にもわかるようになってきたのだ。

へっへっへ
伊達に歳は取ってないぜ。

……そんなことよりも
僕は今でもジャージブスなんだろうか?
そこが問題じゃないのか?



では、また。