ども、商業高校や商学部に進学する人の気持がわからない岡田達也です。



はぁ~
のっけからタメ息を付きたくなる。
『確定申告』の案内がやってきやがった。

これが、恐ろしく、めんどくさい。

普通の会社にお勤めの方には何の関係もない話だ。
だが、個人事業主のみなさんは大きく頷いてくれているはず。

めんどくさい
めんどくさい
めんどくさい

3回繰り返してみたが心は晴れない……
(晴れるとでも思ったのか?)

我々舞台俳優は個人事業主だ。
個人事業主の必要経費は自分で計算しなければならない。
ここが勤め人と大きく違う。

簡単に言ってしまえば
「昨年は必要経費がいっぱいかかりましてん。ですから収入はこれだけあったけど、経費を引いたら手元には雀の涙ほどしか残ってませんのや。お代官……、いや、税務署さま、どうか私の払い過ぎた税金をちょっとでも返しておくんなまし」
というような仕組みになっている。
(……この説明は正しいのか?)

この弱者の訴えを通すには領収書がいる。
これが唯一無二の“手形”なのだから。

だからみんな必死で領収書を発行してもらい、
大切な宝物のようにコレクションし、
結果、財布の中身は札束よりも領収書が幅を利かせることとなる。

ちなみに
演劇人の財布の中身は
大量の領収書
なんだかわからないカード
なんだかわからない割引券
ごくわずかなお札
で構成されている。

 * * *

何年か前「脱税」で捕まるのを恐れた僕は、自ら税務署に出向き話を伺ったことがある。

……あれ?
ちがうな?

こう書くと、まるで「脱税工作を働いてる」ようではないか!
もしくは
これ以上、前科を重ねないようにしてるみたいじゃないか!

ちがう、ちがう!
そうじゃなくて
「舞台俳優にとっての必要経費というのは、どこまでが必要経費として計上できるのか?」
を純粋に知りたかったのだ。

担当してくれた中年女性の答えは実にシンプルだった。
「舞台をやる上で、これがないとできない、と考えられるものです」

……ちょっとフワッとしてませんか?
もう少し具体的に指導してもらえるとありがたいのですが……

「ですから、あなたが、舞台をやる上で、これがないとできない、と考えられるものです」

……何も変わってませんよね?

「私は舞台のことはわからないので、あなたが、舞台をやる上で――」

もういいです
わかりました
僕が判断すればいいんですよね?

 * * 

今、領収書にまみれてる。

毎年の悩みなんだけど……
「飲み屋の領収書」が必要経費に入るのかどうか?だ。

僕の頭の中ではこの言葉が渦巻いている
「ですから、あなたが、舞台をやる上で、これがないとできない、と考えられるものです」

……経費で良いですか?



では、また。



追伸

ゴリラ……、じゃなかった
三浦剛出演の『片想い』を観てきた。

この男が頑張っていた。
若き座長の陳内将。



噂によると再びキャラメルボックスに出演するらしい。
僕はまたこいつの弟役なんだろうか?