ども、生ルーティンを目撃した岡田達也です。



大阪から一気に静岡県の磐田市を目指した。

京都の太秦(うずまさ)に立ち寄って自分の育った街を見るとか
名古屋で降りて『味仙』の台湾ラーメンを食べるとか
やりたいことはいろいろあったけど、ひたすら東海道を急いだ。

磐田のヤマハスタジアムで行われるラグビートップリーグ
『ヤマハ発動機ジュビロ VS NTTドコモレッドハリケーンズ』
この試合のチケットを購入していたから。

そう。
今や日本で最も有名なラガーマンとなった五郎丸選手が所属しているチーム。

 * *

今年の秋に上演した『水平線の歩き方』という芝居ではラガーマンを演じた。

175cmで65kgのラガーマンなんて世の中には存在しないだろうけど、
そこは、ほら、何というか「演劇のウソ」の良いところで
舞台上で「僕はラガーマンです」と言って
お客さんが「あんたはラガーマンね」と信じるフリをしてくれれば
あ~ら、不思議!
舞台の上には立派なラガーマンが誕生する。

この「役者と観客の絶妙な共犯関係」が僕は好きだ。

 * *

僕は胸が小さい。
世の女性の多くが寄せたり上げたり、
背中の肉を無理やり前に回してみたりと苦労されてるようだが
男の僕には寄せるべき肉もない。

バスト90cmちょいしかないラガーマンなんて世の中には存在しないだろうけど、
そこは、ほら、うちには立派な衣装部さんがいる。
衣装部チーフの前田綾が僕のおっぱいや肩まわりにいろんなものを貼っ付けてくれた。
僕のバストは洋服を着るだけで10cm近く大きくなった。

この「衣装部マジック」が僕は好きだ。

 * *

ヤマハの選手もNTTの選手も本物のラガーマンだった。
「共犯関係」も「衣装部マジック」も必要ない。

鍛え上げられた身体は鋼鉄のようで
スクラムを組むとき、タックルに行くとき
男たちがぶつかり合う音はスタンドまで届いてくる。
何度も「おおっ!」と声が出てしまった。
僕なら確実に死んでいる。

これだよ。
やっぱりスポーツは素晴らしい。
本物が、いっぱい、詰まってる。
だから僕はどんなスポーツも好きなのだ。

かたや演劇は
嘘が、いっぱい、詰まってる。
それはそれで面白い。

 * *

グラウンドで必死にぶつかり合うラガーマンを
スタンドでのんびりとハイボールを飲みながら観る演劇人。

仮設居酒屋『ヤマハスタジアム』で飲むお酒はまた格別だった。



つづく