ども、沢木耕太郎ファンの岡田達也です。



『深夜特急』
この作品に憧れた若者はどれほどいるだろう?
そして、本当に旅立ってしまった人はどれだけいるだろう?

僕だって、
芝居がなければ、
お金が余っていれば、
少しでも英語が話せれば、
ユーラシア大陸でキリンラガーが手に入ることがわかれば、
若いうちに大陸横断していた可能性が高い。
(オマエには絶対に無理だな)

若いときに読んだ作品がいつまでも心の中から離れない、というのは誰にでもあるんじゃないか。

 * * * * *

ずーっと前に、元劇団員の今井義博くんから九州を旅した話を聞いた。
うらやましかった。

旅という言葉の持つ魅力。
何ともいえない力がある。

そして話した。
いつか二人で九州を旅しよう、と。
しかし。
踏ん切りが悪いのか、タイミングが悪いのか、
その話をしてから10年以上が経った。
結局、二人が足を運ぶのは東京の安い居酒屋ばかりだった。

先月、フト気がついた。
『TRUMP』が終わったあと数日は自由な時間があるぞ。
こいつはチャンスじゃないか?

ユーラシア大陸は横断できなくても、
九州まで足を延ばさなくても、
我々に見合った貧乏旅行ができるかも。

僕は今井くんに相談した。

「行ったりましょう!」

すぐに返事が返ってきた。



つづく