ども、偶然の再会を果たした岡田達也です。



僕のタブレットにはラジオのアプリが入っている。
深夜ラジオを聴くのがメインの目的でインストールしたもの。
なんだけど、昨日の昼間、楽屋でなんとなくスイッチを入れてみた。
聴きたい番組があったわけじゃない。

本当になんとなく、気まぐれで、だ。

東京なら『赤江珠緒のたまむすび』か『大竹まことのゴールデンラジオ』をチョイスする時間だ。
だが、大阪は番組が違うので何を聴けばいいのかわからない。
適当にチャンネルを選んだ。

関西弁の男女の掛け合いが聞こえてきた。
たぶん、関西のお笑い芸人さんと、局アナなんだろうな。

……ん?
……あれ?

この女性の声、聞き覚えがあるぞ……

僕はタブレットで今流れている番組を調べた。

『兵動大樹のほわ~っとエエ感じ。』
http://abc1008.com/hyo/

兵動大樹
宇野ひろみ

エエっ!
何ってこった!

宇野さん!
いや、宇野様様様ではないか!

彼女は大阪芸術大学時代の同級生だ。
ただの同級生じゃない。
入学して最初に仲良くなった女の子で、その後も卒業するまでずっと一緒に遊んだ仲間だった。
いやいや、仲間なんて呼んでは失礼かもしれない。
おそらくこの日記にも何度か登場していると思うが、彼女がいなければ僕は大学を卒業できていなかった。

 * * * * *

必須科目のテストの日、あろうことかぐっすり眠っていたら部屋の電話が鳴った。
宇野さんからだった。
「たっちゃん!あんた何やってるの!テストの時間だよ!」

「えっ……」
こういうとき人間の理解は不思議と早い。
僕は凍りついた。
これで卒業は一年先送りだ……
お母さん、ごめんなさい

「今ね、印刷ミスが見つかって、先生が刷り直しに行ってる!10分ほどかかるって!」

「つまり……」

「たっちゃん!」

「はい」

「ダーーーーーッシュ!!!!!」

「はい!」

僕はそのままメットを被り学校へ向かった。
1分の遅刻も許さないことで有名な先生だったが、バイクで3分の距離にあったのでギリギリ間に合った。

 * * * * *

このエピソードだけじゃない。
貧乏な僕を見かねて、ご飯を作りに来てくれたこともあった。
彼女ができた僕に「デートに行くなら私の車を貸してあげるから!」と声をかけてくれた。

間違いなく恩人……
いや
神様、仏様、宇野様
といった方である。

数年振りに聞いた彼女の声は相変わらずの明るさと元気さがあった。
用事はなかったけど、思わず久しぶりにメールした。
返信は、彼女らしい、明るさと元気さにあふれた内容だった。


こうちゃん
お互い歳を取っても変わらぬ現場で仕事できるように頑張ろうな。



では、また。