ども、最後にスケートを滑ったのは30年前の岡田達也です。



フィギュアスケートグランプリシリーズの最終戦で、羽生選手が世界初の300点超えという得点で優勝した。
僕はフィギュアの採点方法をよく知らないので、この点数の持つ意味を詳しく語ることはできない。
けれど、過去の点数と比較してみても、今回の得点がどれほどのものかは素人の僕でもわかる。
メディアが「異次元の滑り」と報道しているけれど、きっとそうなんだろう。

 * * * * *

その滑りを見ていたであろうキャラメルボックスの畑中智行がツイッターでつぶやいていた。

「羽生くん、世界歴代最高得点更新!僕が凄いと思っている以上にすごいんだろうな。何よりも彼のメンタルの強さに頭が下がります。ホントにおめでとうです!」

そして、立て続けにつぶやいていたのが……

「フィギュアを見ていて、役者の演技に点数がつくとしたら、今の僕はどれぐらいのLevelになるのかとか、くだらないことを考えてみた。うーん。うーん…。」

うんうん
わかるよ、その気持

 * * * * *

いつも言ってることだけど……
役者の演技には数字が存在しない。

芸術点も、技術点も
打率も、打点も、ホームランも
ホールインワンも、イーグルも、ボギーも
飛距離も、総合得点も
何もない。

数字という確かなものが存在してない。

 * * * * *

ずーっと昔、僕の知ってる俳優のKさんはこう言った。
「学生時代に成績を付けられて、それが嫌で嫌で、だから点数の無い演劇の世界に進んだんだ。だから間違っても点数なんて付けらたくない」

なるほどな~
そういう考えもあるか

 * * * * *

畑中の気持ちもよく分かる。

芝居の世界では客観的な判断が存在しない。
あくまでも観ている人の主観で、趣味で、好みでしか判断されない。
それは有り難いことでもあり、それと同時に、とても怖いことでもある。
だからこそ、自分の力がどれほどのものなのか?
それを知りたくなるのは自然な欲求だろう。

と書いておきながら。
Kさんの気持ちもよく分かる。

僕たちがやってるのは数字なんかじゃない
あくまでも、どれだけ記憶に残せるかだ、って。

つまり、どちらが正解と言うのではなくて……

役者とは
それぐらい不確かで、
いつも揺れている、
そんな仕事なんだな~
と思ったお話。


うーん……
いつの日か「異次元の演技」をしてみたいもんだ。



では、また。