ども、塾には通ったことがない岡田達也です。



昨日のつづき。

思い切って“西川式”を導入してみた。
が、これがなかなか難しい。
一つのセリフだけなら早く言える。
けれど、いくつものセリフをつなげて早くしゃべるのはとても難易度が高い。
とくにセリフを覚えたての頃だと、思い出しながらになるのでゆっくりでしかしゃべることができない。
オマケに途切れ途切れだ。

なんだけど。
数日経つと変化が出始める。

なめらかに思い出せて、早くしゃべれるようになってくる。
セリフが繋がり始めるのだ。

で、驚いたのだけど。
スピードが上がってくるにつれ、シーンの全体の流れが体に染み込んでくる。
すると、そのシーンでの自分の役割が明確に見えてきたりする。

最初はビールで乾杯して、次に日本酒を挟んで、仕上げにハイボールでしめる……
……いやいや、この例えは間違ってるな
最初は事情を知らずに怒ってて、次に詳細を知って驚いて、最後は和解する……
……例えばそんな流れがハッキリしてくる。
“自分のセリフをどう言うか?”だけに固執していたときには無かったことだった。

それでも「あれ?次なんだっけ?」と引っかかることがある。
すると西川先生から「そういうところは気持ちがつながってなかったりするポイントだよ」とのアドバイスがあった。

あぁ、なるほど
そういうことか

それから。
これがとても大切なことだけど……
早い棒読みができるようになると、舞台上でセリフをどうにでもしゃべれるようになる。

セリフの自由度が、一段階、上がる。

少なくとも僕はそうだった。

 * * * * *

『TRUMP』の終盤、稽古時間もカツカツなので自主練習でもしようという話になった。
ここで思い切って、みんなに“西川式”でのランスルーを提案してみた。

全員で、早回しで、セリフを返す。

まだまだ途切れてしまう部分はたくさんあるけど、早くしゃべれるところは観ていて気持ちいい。
無理なく心情が流れているのがわかるから。

実際、終わった後、高杉真宙くんが言ってきてくれた。
「達也さん、すごい気持ちよかったです!いっぱい(気持ちが)繋がりました!これ、やって良かったです!」

 * * * * *

と、書いておきながらこのやり方が絶対だとは思わない。
稽古方法は人それぞれ。
早く自分に合ったやり方を見つけられればいい。
今、若い人たちとやってるからだろうか?
そんなことを思ったりした。


いつの日か“岡田式”を編み出してみようかな?
……いや、やめておこう。
誰もやりそうにないもんな。
少なくとも僕はやらないな。



では、また。