ども、背筋が寒くなった岡田達也です。



スポーツが好きだ。
必然的にスポーツ番組をよく見る。

スポーツ番組には実況と解説者がいる。
どちらも試合や競技を楽しむためには不可欠な存在だ。
……そうは思う。

しかし、昨日の世界陸上を見ていてちょっと怖くなった。

女子の円盤投げ。
僕はよく知らないが、世界トップレベルの選手の出番になった。
彼女が重そうな円盤を投げた。
素人目にもバランスを崩したように見えた。
案の定、実況の人が言った。
「あぁ、バランスを崩してしまいました。二投目もミスですね」

次に口を開いた解説者の言葉が僕の心に突き刺さった。
「すべてがバラバラですね。次の投てきまでに修正できれば良いのですが。間に合わなければ結果は同じでしょう」

「すべてがバラバラ」

ハッ!
な、なんて恐ろしい言葉なんだ!

無いのはわかっている。
わかってはいるが、もしも、もしも、演劇に実況解説があったらどうなるんだ?

「あぁ、岡田達也、大きくスベりましたね。二回目の出番もミスですね」
「すべてがバラバラですね。次の出番までに修正できれば良いのですが。間に合わなければ結果は同じでしょう」

あぁ、なんて恐ろしい!

例えば……

「西川浩幸、舞台上でつまずきましたね。自分の脚がもっと長いと思ってフシがありますね。“なりたい自分”と“本当の自分”に誤差があるのでしょう」

「筒井俊作、他の共演者に浴びせるほど汗をかいてますね。運動量の問題かと思っていたのですが、彼は普段も歩いているだけで汗だくになるそうです。何かが間違ってますね」

「左東広之、目が泳いでますね。想像してなかったところでお客さんに受けたものだから勝手に動揺したんでしょう。相変わらず小さいですね」

「小多田直樹、ダンスのとき流し目でしたね。早乙女太一くんを意識してるんでしょうか? ただでさえ目が細いんだから、流し目にすると目が無くなるんですがね」

あぁ!!!
書いてて恐ろしい!!!
(じゃあ書かなきゃ良いだろ。しかも先輩後輩を巻き添えにしてるし)

こんな解説が入ったら泣いちゃう。
みんな泣いちゃう。

芝居に解説がなくて良かった。


……えっ?
……ひょっとして

みなさん、芝居の帰り道に解説してるんですか?
「岡田達也、今日の舞台はすべてがバラバラだったね」とか。

いやあああああああああぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!



では、また。