ども、押されっぱなしの岡田達也です。
昨日の続き。
中学の同級生ランちゃんと
東京で25年ぶりに再会することができた。
今は無き新宿のシアターアプルに『水平線の歩き方』を観に来てくれた。
中学の同級生に芝居を観てもらう
とても照れ臭くて恥ずかしかった。
でも終演後に
「面白かったよ!」
と言ってもらえた。
その一言で十分だった。
のだが……
翌日。
ランからメールが届いた。
以下のような内容だった。
「チケット、まだ取れますか? 実は会社の後輩でちょっと行き詰まってるヤツがいて。もしかするとだけど、この芝居を観れば吹っ切れるキッカケになるかもと思って。そうすればまた以前のように明るく働いてくれるかもしれないし。だから観せてやりたいんだ」
おおっ、そうかそうか!
なんて後輩思いなんだ!
取るよ、取るよ。
だけど正直言えば、行き詰まってる人を何とかしてあげられる自信はなかった。
けど、息抜きぐらいにはなるだろう。
お芝居も観たこと無いそうだし。
それくらいの気持ちだった。
数日後。
ランちゃんから電話が掛かってきた。
ん?
メールじゃなくて電話?
どうしたんだろう?
何かあったのかな?
「おかたつ、チケットのことありがとうな」
どういたしまして。
喜んでもらえた?
「うん……、それが、その……」
あぁ、つまらなかったのかな?
いいよ、いいよ。
お口に合わないことなんていくらでもあるよ。
ごめんね、期待に応えられなくて。
「いや、そうじゃない。すごく喜んでくれて……」
じゃあ良かった。
「喜びすぎて。「先輩、ありがとうございました! お芝居を観て背中を押されました! ちゃんと吹っ切ることができました! 自分のやりたいことに向かって迷わず進みます! お世話になりました!」って言ってね。……会社を辞めちゃった」
えええええっっっっっ!!!!!
「おかたつ、背中押しすぎ」
いやいやいやいや
待って待って待って
「オレが考えていた展開とはまったく違う方向に進んだよ」
うん、はぁ、まぁ……
そうなのかもしれないけど、なんというか……
「まぁ、おかたつが悪いわけじゃないよな。それだけ面白かったってことだよ」
* * * * *
この一件以来、僕はなんとなくランちゃんに頭が上がらない。
それなのに。
「前に会ったとき、一度歌舞伎観てみたいって言ってなかったっけ?」
うん。
いろんな先輩に「勉強のためにも観ておいた方が良い」って言われるんだ。
「会社で押さえてるチケットが余ったから一緒に行かないか?」
ずいぶん前に言ったことなのに!
良く覚えてくれてたな!
さらに。
歌舞伎座で待ち合わせし会ったとき
「これ、お昼ご飯にどうかなと思って」
と、『梵』のヘレカツサンドまで買ってきてくれていた。
何から何まで!
ありがたやありがたや!
帰り際。
「鳥取県知事になるなら協力するよ!」
ランちゃんは、僕の背中を押し続けてくれている。
では、また。
追伸
キャラメルボックス30th vol3
『時をかける少女』
http://www.caramelbox.com/stage/30th-3/
本日、東京公演初日です。
劇場でお待ちしています。
角川さんか
大林さんか
知世ちゃんか
観に来ないかな……。