ども、ボケをのがす少年こと岡田達也です。



『時をかける少女』の通し稽古を観に行くために地下鉄に乗った。

僕と、制作部の聖澤くんと、偶然居合わせた大森美紀子先輩。
3人並んで座った。

「みっこさんは通し稽古観ました?」

「まだ観てない!」

「映画版は観たことあります?」

「観た、観た!」

「僕も高校生のときに観ましたよ。知世ちゃんのデビュー、忘れられないですね」

「そうだね!」

「でもね、細田さんのアニメ版は観てないんですよね~」

「私は観たよ!」

「面白いらしいですね~」

「うん、面白いよ! でもね、私は『スクールウォーズ』の方が好きかな!」

「あぁ、僕はそっちも観てないんですよねぇ」

と。
それまで黙っていた聖澤くんがソーッと口を挟んできた。
とても申し訳なさそうに。

「あのー……。『サマーウォーズ』ですよね?」

「あっ! また間違えちゃった!(爆笑)」

3人で大笑いした。

「この前はね、間違えて『スターウォーズ』って言っちゃった!(爆笑)」

再び3人で大笑いした。

が。
僕は顔で笑いながら、心の中は震えていた。

それは、みっこさんのボケ具合に震えたわけではない。
確かにとんでもなく破壊力の強いボケではある。

問題は“それを聞き流してしまった自分”にある。

「うん、面白いよ! でもね、私は『スクールウォーズ』の方が好きかな!」

「おいおいおーい! それはラグビーのドラマでしょ!」とか
「それは泣き虫先生の話! あんたはイソップか!」など
いくらでもツッコミようがあったはずだ。

こんなみっこさんらしい天然ボケに気付かないでいるなんて。
ボヤッと生きている証拠だ。

例えば上川隆也先輩なら、と妄想する。
みっこさんにツッコミを入れた後、返す刀で
「おまえも気付いてツッコめよ!」
くらいのことはあっただろう。

それに比べて……。
芝居をやっていないときはこうもダメなのか。

アンテナを立てていよう。
いつ何時も拾っていこう。

そうでなければ錆び付くぞ、自分。

みっこさん、気付かせてくれてありがとうございました。



では、また。



追伸

ベッド&メイキングス
『墓場女子高生』
http://vol4.bedandmakings.com/

とても面白かったです。
興味があればぜひ。