ども、今からでもスヌーピーの翻訳をするべきか悩む岡田達也です。



17日の終演後、出演者によるトークショーが行われた。
そこに飛び入りゲストが登場した。

谷川俊太郎さん。

詩人であり、絵本作家であり、翻訳家。
谷川さんの詩はろくすっぽ読んだことがなかったけど
『スヌーピー』は大好きで子供の頃はたくさん読ませてもらった。

『蜜柑とユウウツ』は女流詩人・茨木のり子さんの異聞だが
実はお話の中に若き日の谷川さんも登場する。
そして恐れ多くも僕が谷川さん役を演じている。
演じてるだけなら問題ないのだが、かなり“粋がったかんじ”で演じているのだ。
(もちろん脚本・演出の狙いですよ)

で、17日、ご本人が観劇された。
そして観劇後、トークショーにもお付き合いいただくことになった。

そりゃ内心穏やかじゃなかった。
「僕はそんなんじゃない!全然違うよ!」
とか言われて怒られたらどうしよう?
舞台上で土下座したら許してもらえるかな?
ドッキドキだった。

でもでもそんなことはなく
「全然違うよ!だいたい僕はあんなにかっこつけてなかったよ!(笑)」
と言って大笑いされていた。
そして
「違うからいいんじゃない。だからこそお芝居だと思って安心して楽しめたよ」
とフォローまでしていただいた。
ホッと胸をなで下ろした。

 * * * * *

トークショー慣れしている谷川さんの発言はいちいち面白く
その辺りのくだりも書きたいことはたくさんあるのだけど一つだけ。

僕にはどうしても訊いてみたいことがあった。
「詩を生み出すときって、考えて考えて言葉をひねり出すんですか?それとも良く言う「天から降ってくる」感じなんですか?」

この答えがふるってた。
「僕の場合はね、足元から湧き上がってくるの」

「え?下からですか?」

「そう。日本の大地に足を付けてるでしょ?そこから、この辺に(と言って胸の辺りを押さえて)湧き上がってくるの」

「じゃあ頭で考えるのではなくて……」

「頭を使うのはね、最後に推敲(すいこう)するときだけ。あくまでもここ(胸)に湧き上がってきたものを言葉にしてる」

か、かっちょいい!
なんてかっちょいいおじいさんなんだ!
僕もこんなおじいさんになりたいもんだ!

でも、まぁ、僕のような凡人には無理だよなぁ……

「あなたも詩を書いてみればいいじゃない?」

「え?僕ですか?無理です、無理です!」

「どうして?」

「詩って、若くて感性がみずみずしいときに書き始めないとって思うんですけど……」

「そんなことないよ!僕なんかね年取ってからの方が良い詩を書いてるよ(笑)」

ははぁ
参りました!
ますます谷川さんみたいなおじいさんになりたいです!


って思わず谷川さんのファンになってしまったお話。





では、また。