ども、姦(かしま)しいという意味がわかりかけてきた岡田達也です。
『蜜柑とユウウツ』
昨日、東京公演の幕が開いた。
* * * * *
舞台関係者には初日特有の挨拶がある。
すべての楽屋を回って
「初日おめでとうございます。よろしくお願いします。」
というものだ。
小林さん、野添さんと一緒に女楽屋に挨拶に行った。
「初日おめでとうございます。よろしくお願いします。」
すると。
木野花さん含む四人が小走りに近寄ってきて
「よろしくお願いします。よろしくお願いします。本当に、よろしくお願いします。ご迷惑をかけると思いますが、きっとかけると思いますが、いや、もちろんかけないようにはしますが、でもおかけします。どうか、どうか、助けてくださいね。何があっても前に進みましょうね。よろしくお願いします。」
と口々に並べ立てた。
4人とも間違いなく「ベテラン」と呼んで良い。
そんな人たちが、すがるようにして、眉毛を八の字にして、
こちらを見ながらまるで雀のようにしゃべり続ける。
失礼を承知で書くが本当に可愛らしい。
* * * * *
二度目のカーテンコールで舞台に呼ばれた。
このお芝居では初めてのことだった。
だから何の打ち合わせも用意もしてなかったので
松金よね子さんがあわててしゃべりだした。
何度も何度も頭を下げながら。
「あのー、そのー、すみません、本当に、長い時間付き合わせた上に、気を遣わせてしまって」
場内は笑いに包まれた。
お客さんがどんな気持ちで拍手をしてくださったのかはわからない。
しかし、拍手されたことに対して「気を遣わせて」というのには笑った。
なんて謙虚なんだろう。
なんて可愛らしいんだろう。
* * * * *
昨日、観に来てくれた小多田直樹が終演後
「る・ばるのお三方は本当に可愛らしいですね。愛嬌たっぷりというか」
と言ってくれた。
やっぱり。
直接話したことはなくても
舞台を観てもらうだけでも
それは確実に伝わるんだなぁ。
* * * * *
舞台は間違いなく人柄が反映される。
技術だけですべてを覆い尽くすのは不可能だ。
あの三人には愛嬌がたっぷりある。
いや「たっぷり」どこじゃない。
もう体に収まらなくて「こぼれてる」と言って良いかもしれない。
る・ばるの三人の人柄を
それから芝居の好きさ度合いを
感じてもらえたら嬉しい。
僕はそのお手伝いができるように精進しよう。
では、また。