ども、一緒にやりたかった岡田達也です。



『カレッジ・オブ・ザ・ウィンド』の稽古が始まっている。
ゲストに『ラッパ屋』の福本伸一さんをお迎えしている。
福本さん、キャラメルボックスと縁が深い。
かく言う僕もお世話になりっぱなしの人間だ。

長文になってしまうので細かい話は省かせてもらう。
僕が初めて福本さんに出会ったのは
加藤昌史プロデュース『天国から北へ3キロ』(1991年)
というお芝居でのこと。
僕は舞台監督助手としてこの公演に携わり、近江谷太朗先輩と一緒に黒子として出演することになった。
そこでいろいろと面倒を見てくださったのが福本さんだった。

僕は芝居の経験が無くこの世界に飛び込んだ。
なのでこの現場に放り込まれても、何もかもが人生初めてのことばかりで、言われたこともろくにできずオロオロするばかりだった。
演劇の常識を知らず、専門用語もわからず、何をするにも時間がかかった。

だけど、この公演の出演者の方はみんな優しかった。
演劇ド素人小僧の僕を面白がってくれて、失敗も何もかも笑って許してくれた。
中でも福本さんには気にかけてもらえた。
それも押しつけがましいのではなく、さりげなく、何気なく。
それが、いつだって冗談っぽく笑いを交えてだったので、年下の僕も楽に接することができた。

そう。
福本さんは人と接するとき、絶対に敷居を高くしない。

ひょっとすると僕がまだ福本さんの素顔を知らないだけという可能性もあるが、僕から見ればとても人当たりの柔らかい人だ。
だから今回の『カレッジ・オブ・ザ・ウィンド』のお父さん役というのもよく合っていると思う。
真柴あずき先輩は僕よりも長い付き合いだから別として、他の家族を演じるみんなは福本さんの魅力にやられちゃうんだろうな。
自分がそうだったからよくわかる。
(でもね、みんな、福本さんに甘えすぎないようにね)

畑中智行もことあるごとに「福本さんみたいな役者になりたい」と言っている。


先輩、いろいろ面倒も多いと思いますがよろしくお願いします。
また一緒に『ナナシー』を打ちましょう。



では、また。



追伸

昔、僕も福本さんも京王線の明大前に住んでいた。
二人とも仕事が無いときは『みかさ』というパチンコ屋に入り浸っていた。
何度も並んで打った。
特に『ナナシー』という機種を好んで打っていた。

ある日、福本さんの奥さま(福本さんのマネージャーさん。僕もお世話になっている)がお店にやってきた。
並んで打ってる僕たちを見て、いきなり僕の頭をはたいた。
「何やってんの!あんたたち!」

僕は抗議した。
「えーっ!僕じゃなくてダンナの頭をはたいてくださいよ!」

すると彼女は
「ダンナがバカになっちゃうでしょ!」

僕は何も言い返せなかった。