ども、後輩に上から褒められた岡田達也です。



サンシャイン劇場へ仕込みに行った。

やはりというか
想像通りというか
体が落ち着くのがわかる。

『世襲戦隊カゾクマン』はプロデュース公演。
つまり劇団の公演ではないので、基本的に役者は芝居にだけ専念していれば良い。
それはそれで贅沢なことだし、あるべき姿だと思う。

しかし劇団公演はそうはいかない。
潤沢な資金があるわけではない。
どこもかしこも切り詰めなければならないのが日本の劇団の現状だ。
出演者も働かなくては人手不足は避けられない。

だから日本中の「劇団員」と名の付く人たちはいつだって働く準備ができている。
そして芝居以外の仕事をしていると妙に落ち着いたりもする。

……ひょっとすると、ある意味において貧乏性なのだろうか?

* * * * *

『ブリザード・ミュージック』の音響部は畑中智行ただ一人。
さすがに一人では何もできない。
だからヘルプを頼んできたのだが。

いつも通りの手順でサクサクと仕込んだ。
いや、僕も午後から稽古があるため、いられる時間が短いので、いつも以上に急ピッチで働いた。
搬入し
舞台面にスピーカーやアンプを振り分け
PA席に音響機材を運び
アンプ周りを組み上げ
卓周りのセッティングを終わらせた。
ここまでで2時間30分。

うん。
良いペースだ。
ここまで終わらせておけば、後は畑中と手伝いに来てくれたOBの今井義博くんで何とかなるだろう。

なんとか目処が付いてホッとしていると畑中が声をかけてきた……

「たつやさん、ハッキリ言いますよ」

ん?

「今年、一番良い働きしましたね」

は?

「あなたもやっと人の役に立つってことがどれほど素晴らしいことか気付きましたか」

あ?

「その調子です」

あぁ?

「ご苦労様」


このあと、激しいローキックを見舞っておいたのは言うまでもない。

ひょっとすると仕込みの楽しさは、このバカバカしいやり取りも込みにして、のことかもしれない。


『クロノス』『パスファインダー』のチラシの人たち。




そしてお決まりの土下座をさせるジャイアンとさせられるうなぎいぬ。





では、また。