ども、声が漏れてしまう岡田達也です。



今回、稽古の前にみんなでラジオ体操をやることになった。

どうやら演劇界のあちこちでラジオ体操が推奨されているらしい。
山口良一さんが「ヴォードヴィルでもやってるよ」と言い、
新劇界でも角野卓造さんなどが後輩に「必ず覚えなさい」と言ってるそうだ。

知らなかった。

小学生の時、夏休みに、毎朝、近くの公園に出かけ、
みんなで体操し、
終わったら6年生のお兄さんにスタンプを押してもらっていた、
あのラジオ体操。
懐かしく、どこか恥ずかしかったあの体操が、今演劇の世界で重宝されていたなんて。

僕なんか小学校を卒業してから32年やっていない。
はたして覚えているのだろうか?
一抹の不安があった。

が。
山口さんのリードでやってみると不思議と体が思い出す。
「あぁ、そうだった!」
「あぁ、あぁ、次はこんな動きだった!」

さすがに『第二』の方はまだまだギクシャクしているが『第一』は完璧になったきた。
体が昔のカンを取り戻してきている。

そして不思議なのは……

子供の頃、なんとも思っていなかったあの体操が
(強いて言えば恥ずかしいだけだった)
今はなんとも心地よく感じられること。
適度に伸び、十分に温まるのだ。
「へぇー、この体操、よく考えられてるなー」
今になってこの体操の効果に驚かされている。
特に今回のような平均年齢の高い座組にはピッタリのウォーミングアップだ。

が、残念なことが一つ。
後ろに反ったりする動きの時に稽古場のあちこちから
「あぁぁ……」とか「うぅぅ……」とか「おぉぉ……」
という吐息が聞こえてきてしまうことだ。
小学生のときはそんな声をもらしていなかったはずである。


今日の稽古もラジオ体操から始まる。
そしてきっと中高年が集うサウナのように「あぁ」とか「うぅ」とかが聞こえてくるだろう。
がんばろう。



では、また。