ども、昨日はお休みを頂いた岡田達也です。



ツイッターをチェックしている方はご存じでしょうが、昨日はアメブロのメンテナンスが朝方にあったので更新できなかったのです。
失礼しました。

では、昨日書こうと思っていたお話を。

* * * * *

フィギアスケートの高橋大輔選手が引退を決断した。

僕は4回転も跳べないし、なんなら1回転さえ跳べないし、いや高校卒業してからスケートをやってないし。
そもそも、フィギアに詳しくはない。
だけど、彼のことは応援していた。
試合後のインタビューや『Nummber』の記事などから見受けられる彼の人柄に惹かれていた。

一昨日、チラッと彼の引退記者会見を見た。
記者さんから「スケート人生で一番の思い出は何ですか?」という質問が飛んだ。
彼はしばらく悩んだあとでこのように答えた。

「そうですね……。一つ一つ終わってしまうと、すぐに次に向かっていたので、振り返ることはなかったです。良いことも悪いことも含めて自分にとっては全部が良い思い出。どれが一番とは言えないですね」

あぁ、わかる。
とても共感できる。

いやいや、もちろん自分は高橋選手のように世界と戦って来たわけでじゃない。
それなのに「共感できる」なんて語るのは失礼なのも承知だ。
ただ。
スタンスがあまりに同じで驚いた。

俳優さんは死ぬまで俳優でいられるのだから引退会見など無い。
だからそんなことを訊ねられる心配もない。
だけど。
もしも。
同じ質問がなされたら、まったく同じ答えをしていただろう。

“一番”というのは無い。

23歳でこの世界に飛び込んでから、ひたすら芝居だけをやって生きてきた。
それ以外に何もしなかった。
(それはウソだな……。飲酒も欠かさずに生きてきました)

幸いなことに、僕が所属している劇団は芝居ばかりを延々とやり続ける集団だった。
一つの公演が終われば「何とか無事に務めを果たした」と安堵し、
そのすぐ後には「顔合わせ&読み合わせ」が行われていた。
その新しい芝居でちゃんと仕事ができなければ、次の芝居で使われる保証はどこにもない。
そりゃ必死にならざるを得ないし振り返ってる余裕もなかった。


高橋選手が、どういう理由で振り返らなかったのか?
次へ進む原動力が何だったのか?
それらを確かめたわけじゃないけど。
きっと同じような理由なんだろうな。

次に進まなければ恐いのだ。

そして。
その世界で生き続けていくためには一番は必要ない。

きっと引退して、たくさんの時間が経過した後、ぼんやりと
「あぁ、あれが一番だったかな」
なんて振り返ることができるのではなかろうか。


高橋選手、ゆっくり考えられよ。
僕は引退のない世界で足を止めないように進みます。



では、また。



追伸

ホークス、ナイスゲーム。