ども、自爆するところだった岡田達也です。



昔、『俺たちは志士じゃない』の初演の時だ。
舞台上でセリフをしゃべっていた。
3センテンスあるセリフだった。
2つ目までしゃべり終えて、次のセリフをしゃべろうとしたとき……
次のセリフの担当である佐々木蔵之介がしゃべりはじめた。
舞台上で二人のセリフがバッティングしてしまった。

普通このような事態が起きたとき
「まだセリフが残っているけど次の人がしゃべり始めたからやめておこう」と前者が引く
もしくは
「あ、まだセリフがあったんだ!やっちゃった!ちょっとしゃべり始めちゃったけどやめておこう」と後者が引く
このどちらかになる。
だが、このときは違った。
二人とも一歩も引かず、大声で自分のセリフを言い切った。
まぁ、険悪な言い合いのシーンだったので、それはそれで成立はしていたとは思うが。
今思い返しても笑える。

これを演劇界では「セリフをくわれる」と言う。


……あぁ
また書かなくても良い長い前振りになってしまった。

昨日の夜「蚊にくわれた」という話しを書きたかっただけだ。
それを書くために「セリフをくわれた話」は必要ないだろう。
どうも、台本を覚えるのに必死で頭の中が膿んでいるようだ。
岡田達也、ピンチだ。

夜、寝ていた。
じっくり、しっとり、きっちり寝ていた。
汗だくになりながらもぐーすか寝ていた。
すると耳元で……

「プゥーン」

あ。
あいつだ。
蚊の羽音だ。

最悪である。
寝ているときの蚊の音。
もう、本当に神経を逆なでされる。
イラッとする。

例えば……
汗だくの筒井俊作に抱きつかれるくらいイラッとする
畑中智行に「おっ!たっちゃん、元気?」と言われるくらいイラッとする
左東広之に「よっ!天才剣士!」と声をかけられるときくらいイラッとする

……あぁ
また話が逸れてしまった。


羽音が聞こえたのは右耳の側だ。
夜中に蚊にくわれるのは勘弁ならぬ。
僕は蚊を始末するため、右の手のひらを、音のする方に振り上げ、思いっきり振り下ろした。

右手が僕の右耳を直撃した。
一人ビンタである。

い、痛い……
み、耳がジーンとする……

危なかった。
僕の腕力がもっと強ければ鼓膜が破れるところだった。
結局、始末もできず蚊は一晩中飛んでいた。
今日から蚊取り線香に出動してもらう。

蚊の野郎……。



では、また。