ども、便利屋を演じる岡田達也です。



『鍵泥棒のメソッド』では、便利屋・コンドウという役を演じた。

「便利屋」
普段のキャラメルボックスの公演ではまず登場しないであろう役どころである。
そられだけにイメージするのも難しく、演じるのに四苦八苦したが、
映画版をテキストにしながら何とか舞台の上に立つことができた。
(一説によると、岡田達也演じるあれは便利屋じゃなくて殺し屋にしか見えない、というご意見もあったそうだが……)

そして無事に千秋楽を迎え、便利屋の生活からも解放され、晴れて「普通の男」に戻った。

一昨日、バラシのあと田舎に帰省した。

昨日の朝。
起床と同時に父親に言われた。
「達也、このベルトだけどなー、バックルが取れてしまってよう直さんだが……」

あぁ、これね。
そんなに難しく無いんだけどな。
どれどれ。
こうやって、……ハイ、これで直ったよ。

「おおっ!すまんな。あとな、この間エアコンを掃除したときにカバーを外したら元に戻せんようになってな……」

え?
あら、ホントだ。
エアコンが裸でいる。
そのカバーがテレビの横に立てかけてある。
ええっと、どれどれ?
あぁ、ここをこうやって、ここをはめて……。
できたよ。

「おおっ!すまんな。簡単に直るもんだな。」

いや、お父さんが不器用なだけでは……
そう言いかけたとき、母親からお声がかかった。

「悪いんだけど、庭のギンモクセイの剪定をしてくれない?」

え?
庭仕事?
それはお母さんの趣味でしょ?
自分でやった方が……

「下の方は自分で出来るけど、上の方は背が届かなくてね。最近は脚立に上るのも億劫なのよ」

……はぁ
まぁ、別に良いけど。

「ええーっとね、全体的なシルエットはこんな感じで、それから枝ぶりが透けて見えるように切ってくれる?あとは虫食いのところは全部落としてしまってね。軍手とハサミとノコギリはあそこにあるから」

……
……


公演終了後、僕はホンモノの便利屋をやっている。

ただし、ノーギャラだが。



では、また。






 



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