ども、内田けんじ監督に「良いコンドウ顔してますね!」と言われた岡田達也です。



『鍵泥棒のメソッド』、ご存じのように、映画として上映された作品である。
それを舞台にのせている。
内田けんじ監督に「そくぞここまで忠実に舞台化できましたね!」と驚かれたほど、映画のシナリオに沿っている。



公演前に行った成井さんとの対談の中で
「今回の作品は、あの映画の演技を参考にして欲しい。というか、あれをやってほしい」
と言われた。

だから。
少なくともメインキャストの6人(ブラック、ホワイト合わせて)は、映画を参考資料としてフル活用している。



アンケートやメールなどお客さんから頂く感想の中にこのようなものがある。
「ブラックは映画版に近く、ホワイトはキャラメルボックスっぽい仕上がりだ」
このような意見が少なくない。

そして。
以下のような感想もいただく。
「ブラックはキャラメルボックスっぽい仕上がりで、ホワイトは映画版みたいだ」

この両極の感想が、同じような数だけ、ある。

それが、とても面白い。

どちらのチームもキャラメルボックスのメンバーが演じているのだから「キャラメルボックス版」であることは間違いない。
そして映画を参考にしているのだから「映画版に近い」と書かれるのも正しい。

つまりどちらも正解なのだけど、お客さんの感じ方が人それぞれであるということ。
そして何よりステキなのが、観終わった多くの人が「キャラメルボックス版」か「映画版」か、というスタンプを押したくなっている、ということ。

いい。
とてもいい。

芝居なんて観た人が好き勝手に感想を抱くことが大事で、正解などどこにもない。
だから僕は「映画版」だろうが「キャラメルボックス版」だろうが、どのように受け取ってもらってもかまわない。
そんな感想を耳にするたび「ムフフ」とほくそ笑むだけだ。

一番辛いのは、感想を抱いてもらえない、ということ。
批判でも批評でも良い。
何も残せず、感想に値しない芝居になっていることが一番恐い。



それと。
感謝しておかなければならないのは……
片方を観たらもう片方が気になって、両チーム観てくださっているお客さんが多いと言うこと。
「どっちが何版か?」なんて、両方観ているからこそ言える感想であって。



残すところ3日。
今の熱を冷ますことなく東京を終えたい。

ほら、片方しか観てない方、両方観たくなってきたでしょ?
これが「キャラメルボックス版、悪徳商法」です。
お待ちしてます。



では、また。