ども、洋服好きな岡田達也です。



(本日もネタバレ含みます。お嫌な方は引き返してくださいませ)

洋服が好きだ。
おそらく同年代の人たちの中では、かなり足繁く洋服屋に通う方だと思う。
かといって、お金を有り余るほどは持ってないので「欲しいだけ買う」というわけにはいかない。
いつも吟味して吟味してから買うようにしている。

買うものはどうしても偏ってしまう。
それは「自分の好み」というものがあるから仕方がないことだ。
好きな色、好きな形……
それらはそうそう変わることがないものだから「あ、また同じような服買っちゃった!」なんてことはしょっちゅうだ。

その点、俳優という職業は面白い。
役柄によって「普段は自分が絶対に着ないであろう服」を着ることがある。

* * * * *

『鍵泥棒のメソッド』で、僕は3着の服を着ている。

黒い細身のスーツ。
ホストクラブのあんちゃんが着そうな典型的なシングルのスーツ。
まぁ、これはいい。
僕はホストクラブ出身ではないが、スーツくらいは何とか着られる。

黒い礼服。
今どきにしては珍しいダブルのしっかりしたスーツ。
まぁ、これもいい。
礼服というのは大抵の人に似合うようにできている。

が、もう一着が問題で……

スタイリストの花谷さんが衣裳合わせの日、その衣裳を着た僕を見て
「あはははははははははははははははっっっっ!!!! ちょ、ちょっと、待って! いくらなんでもこんな姿の人を舞台に上げて良いのかな(爆笑)」
と笑い転げたほどの格好だ。

しかし、その洋服はけっして特殊なものではない。

チノパン
(日本の国民服とも呼べるユニクロ)

パステルカラーの組み合わさったチェックのシャツ
(こちらはお洒落にラルフローレン)

いたって普通の組み合わせである。

しかし。
この組み合わせがたまらなく岡田達也には似合わない(らしい)。

まずは黒すぎる顔色にパステルのシャツ。
これがあり得ないほど不細工らしい。
実際、僕は日常でパステルカラーのものは滅多に着用しない。
だからだろうか?
とにかくシャツが浮いている。

オマケに。
そのシャツのボタンを一番上まで留めている。
これは役作りのためだが、このルーズな人間がピシッとした着こなしをしようとしても無理が出てしまうようだ。

そしてチノパン。
これが、もう、本当にダメだ。
履きこなせない。
日常の僕は何よりもデニムが好きで、ジーンズしか履かない。
それに濃いめのインディゴブルーをこよなく愛しているから、濃紺、黒、白といった色しか履かないのだ。
その男にチノパン。
バリバリのカーキ色。
普通、チノパンというのは誰にでも似合う、とても便利なアイテムのはずだ。
だが。
似合ってない。
とにかくしっくりこない。
「履きこなす」のではなく「履かれている」という感じだ。

しかも「腰履き」は厳禁で、かなりな「ハイウエスト」でベルトをしている。
(もちろんこれも役作りのため)

そしてこれがトドメだが……
シャツインだ。
親分の成井さんは「シャツはインするものだ」というのが持論なので、そこには合っている。
が、普段の自分はインしない。
どうしても羽織ってしまう。
そんな自分がピシッと着ようとしているのだ。
そりゃ、スタイリストさんも笑うだろう。

そして彼女はこういった。
「この違和感! 最高だよ、タツヤくん!」

* * * * *

うん。
何が言いたいかというと、そんな愉快な姿も東京はあと4回しかお披露目できない、ということ。
要は「観に来てね」ということだ。
その際は衣裳も楽しんでください。

個人的には西川さんの衣裳が大好き。
あの組み合わせはナイスだと思う。



では、また。