ども、美味しいお酒が飲めた岡田達也です。



「初日」というのは緊張する。
イヤでも緊張する。
したくなくても緊張する。

……のが常だ。

心臓がドキドキするのはまだ良い。
どれだけドキドキしようが、それを他人に見られる心配はないから。
だが。
それが体に影響を与えるとなると話は別だ。

震える、のだ。

こいつが厄介だ。
ただセリフをしゃべるだけなら大丈夫。
しかし小道具を手にするとマズイ。
その小道具が小刻みに震えてしまう。
重い物ならまだ誤魔化しも利く。

意外に思われるかもしれないが「軽い物」ほどバレやすい。

最悪なのは手紙だ。
手紙を持って、舞台の前の方で、サス(照明)の中に入り、客席に向かってしゃべる。
こうなると手紙は小刻みに震える。
そして、これが絶対に止められない。
お客さんに
「あれ?岡田達也、アルコールが足りてないのかな?」とか
「いや、アイツの場合はアルコールではなくてシャブがきれてるんじゃないか?」など
違う方向に想像してもらえれば良いのだが
「ははぁん。岡田達也、柄にもなく緊張してやがる。あいつも人の子か」
なんて見抜かれてしまう可能性が高い。

* * * * *

昨日は『鍵泥棒のメソッド』Whiteキャストの初日。
もちろん「緊張する日」だ。
しかも今回の芝居、劇中で手紙を持つシーンがある。

僕は覚悟していた。
きっと手は小刻みに震えるだろう。
せめて、せめてお客さんにばれないように、と。

だが。
そのシーンになっても手は震えていなかった。
その瞬間、気付いた。

あ、緊張してない……。

本当に珍しい。
こんなのいつ以来だろう?
Blackの方でも舞台に出ているからかもしれない。
Whiteの準備もしっかりできていたからかもしれない。

うん。
まぁ、理由はなんでもいいや。

とにかく無条件で楽しめた。
とてもとても楽しめた。
細かいミスはいくつかやってしまったし、周りにも迷惑をかけちゃったけど、それでも言える。
「楽しかった」と。


脚本のセリフに乗っかって
お客さんの反応に助けられて。

いろんな要因があるのだろうけど、とても幸せな時間だった。

さて。
この先、どうやって進化させるか?
演じる側にも、お客さん側にも幸せな芝居であるように。
頑張ります。

だから。
来てね。



では、また。