ども、凍てついた岡田達也です。



昨日はマチネ終わり。

終演後、楽屋で共演者の滝くんと缶ビールを煽った。
もちろん、1本だけ飲んで大人しく帰ろうと思っていた。
念を押しておく。
本当に帰ろうと思っていた。

1本を1分ほどで飲み終えてしまった。
滝くんに言われた。
「おかださん、もう1本飲んでいけばいいじゃないですか!」

え?
楽屋で2本とはいかがなものか?
良心が痛むぞ。
でも、せっかく心優しき滝くんが勧めてくれたのだ。
じゃあ、もう1本だけ。
念を押しておく。
2本目を飲んだら帰ろうと思っていた。

2本目が空になりかけた頃、製作のスタッフの方が楽屋にビールを運んでくださった。
「おかださん、まだまだビールありますよ!いかがですか?」

え?
いやいや、さすがに3本は無いだろう。
ちょっと申し訳なさ過ぎる。
「ありがとうございます。でも、2本もいただいたので……」
しかしスタッフさんは満面の笑みで
「おかださんが差し入れてもらったビールですから。遠慮無く飲まれれば良いじゃないですか!」
彼女の手には冷えたビールが握られている。
早く受け取ってあげなければ彼女の手は冷えるばかりだ。
じゃあ、もう1本だけ。
念を押しておく。
3本目を飲んだら帰ろうと思っていた。

* * * * *

4本目のビールを飲み終えたあと、中央線沿いにあるスパに向かった。

何だかんだと言っても体に疲れが溜まってきている。
サウナ、温泉、水風呂……
たっぷりと温まり、リクライニングチェアーでゴロリとなり、ポイントで溜まったサービスのハイボールを飲み、ポッカポカで風呂を出た。

* * * * *

帰り道。
駅のホームで電車を待っていた。
電光掲示板に表示されている時間になっても電車が来ない。

さ、寒い……。
とにかくホームの上に寒風吹きすさぶ。
人の体温を奪って、奪い尽くして、吹き抜けていく。
指先が凍りそうだ。
早く来てくれないか?
どうしたんだ、中央線?

「えー、ただ今、吉祥寺~三鷹間で人が線路に立ち入ったという情報が入りました。現在、中央線は運転を見合わせております。安全確認が取れ次第運転を再開したいと思います」

……。
……。

なぜ?
こんな寒いのに線路に立ち入るなんて酔狂なことをするのだ?
どこのどなたか存じませぬが、線路内は危ないですよ。
立ち入らない方が良い。

5分が経った。
10分が立った。

もう、指先だけではなく耳まで凍ってる。
多くのお客さんが、駅の改札を抜けて別のルートで移動し始めた。

15分が経った。

スパで温められた僕の体はすっかり冷え切った。
体が固まる。

20分経過。

ホームには人が溢れていた。
もしも、
もしも僕にほんの少しの勇気があれば「ここにいるみんなで押しくらまんじゅうしませんか!」と叫んでいただろう。
僕の推測だが、あの時、ホーム上のみんなが同じことを思っていたはずだ。

25分。
やっと電車がやってきた。


終演後、途中までは良かったのに最後の最後でケチが付いてしまった。

みなさん、転落した人を助けるなど以外で線路に立ち入るのはやめましょう。
幸せになる人が一人もいません。



では、また。



追伸

『幸福な職場』
おかげさまで良い評判をいただいているようです。
以下、感想をいくつか。
もしも、まだ迷ってる方は参考にされてください。
残りは3日間です。

http://stage.corich.jp/stage_done_detail.php?stage_id=50840&page=1