ども、恥ずかしい想いが甦る岡田達也です。



昨日の続き。

そんな高いハードルをくぐり抜けてでも彼女に電話をしたい僕に、一人だけ、大きな大きな味方がいた。
僕の彼女は2年生のSちゃん。
そして彼女には一つ年上のお兄ちゃん、Hくんがいた。
つまり、僕の同級生である。
陸上部で活躍していたHくん。
口数は少ないが、いつもニコニコ笑顔を絶やさず、陸上に打ち込むナイスな学生だった。
(オマエとは大違いだな……)

この穏やかな長距離ランナーと僕は仲が良かった。
恥ずかしながらSちゃんと付き合っていることも彼は知っていた。
幸い彼は「てめぇ、人の妹に手を出してんじゃねーぞ!」というタイプではなかった。
「たつや、仲良くしてやってくれよ」とニコニコしている仏さまのようなお兄ちゃんだった。

そこで。
授業終わりに「Hくん、今夜電話しても良い?」と訊く。
と言っておいてなんだが、Hくんに用はない。
学校で話すだけで十分だ。
だって夜の電話で宗兄弟や瀬古選手の走りについて語り合う必要もないのだから。
彼は心得ている。
「たつやは妹と話がしたいのだ」ということを。

夜。
Sちゃんの家に電話する。
もちろん本人が出れば問題はない。
そのまま話をすればいい。
Hくんが電話に出てくれても大丈夫。
すぐに替わってくれる。
問題は、お母さんが出た場合だ。
そこで、こちらは堂々と「夜分すみません。岡田ですけどHくんはいますか?」と言う。

これで、とりあえず、僕は“悪い虫”ではないという状況がつくれる。

あぁ……
今、書いていても心が痛む。
なんという罪悪感。
なんという小ずるさ。

Sちゃんのお母さん、ごめんなさい。
僕は200%、悪い虫です。

でも、当時は話ができることが最優先。
本当に必死だった。
Hくんと適当に話をしたあと「妹さんに替わってくれる?」とお願いすると、Sちゃんが出てきて長電話が始まる。


余談だが。

長い長いひそひそ話を終えて電話を切り、ソーッと居間に戻って電話を戻すと、母親が眉間にシワを寄せて訊いてきた。

「なんで、妹さんに替わる必要があるの?」


そんな、甘酸っぱいやらドス黒いやら、わけのわからぬ色に塗られた青春時代。
懐かしいやらはずかしいやら。



では、また。



追伸

予約、始まってます!


劇団東京フェスティバル
『幸福な職場』

【作・演出】 
きたむらけんじ

【キャスト】
岡田達也(演劇集団キャラメルボックス)
菊地均也

桑江咲菜
土屋史子

滝寛式
朝倉伸二

【公演日程】
2/5(水)19:30
2/6(木)15:00 19:30
2/7(金)19:30
2/8(土)14:00 18:00
2/9(日)14:00
2/10(月)19:30
2/11(祝)13:00 17:00
2/12(水)14:00

【会場】
下北沢駅前劇場

【料金】 
4500円(全席指定)

【岡田達也専用予約フォーム】
https://ticket.corich.jp/apply/50840/003/

【劇団HP】
http://www.tokyofestival.com/