ども、セリフが覚えられない岡田達也です。
『ナツメ』の台本を読む。
「日替わりゲスト」という扱いながらたくさんのセリフをいただいている。
有り難いことである。
腐っても俳優だ。
しゃべるセリフがあるということがどれほど幸せなことか。
しゃべるべきセリフを持っていない俳優は俳優とは言えないだろう。
台本を持っていないときの岡田達也は、アル中の、ギャンブル狂の、まぁかるーく廃人になっている。
台本があればかろうじて人としての体を保てる。
だから日替わりだろうが何だろうが声をかけてもらえるのはありがたい。
しかし……。
アルコールで脳細胞が死滅し始めている頭には負担のある量だ。
推測だが「細見、オマエはゲスト陣が苦しむのを見たいだけなのか?そうか?そうなのか?悪趣味か?今までの復讐なのか?」という見方もできる。
(実際に舞台で見れば大した長さには感じないと思うけど)
* * * * *
『幸福な職場』の台本を読む。
こちらは本役である。
登場人物も少ないし、そこそこの量のセリフが並んでいる。
有り難いことである。
こう見えても俳優だ。
しゃべるセリフがあるということがどれほど幸せなことか。
(この部分、上の文章を頭の中でリフレインしてください。もちろん各自のペースで構いません。さあ、どうぞ)
しかし……。
覚えられない。
ついぞ覚えられない。
なんだろう、これ?
若い頃、スピードスターのようにセリフを覚えていた。
劇団の中でも早く覚える自信があった。
(ライバルは上川隆也先輩だった。が、彼は例外だ。細胞が違う)
繰り返しセリフを読んで、覚えたつもりになって、台本を見ないで口にしてみる。
「私は……この職場で……幸福になる……なりた……なります……なるようになる……なれるとすれば……。あれ?なんだっけ?」
一事が万事この調子だ。
* * * * *
先日行ったリーディング公演はセリフを覚える必要がなかった。
当たり前だ。
台本を読みながらやるのだから。
何という安心感。
何という安定感。
裏返してみると、あの公演が僕を甘やかしたのではないか?
そんな思いすら抱く。
いっそこれからはリーディング専用役者になるか?
……あぁ
また現実逃避している。
そんなどうでも良いことを考えないで、ひたすら台本に向き合えばいいのだ。
僕はケンタッキーにも行かず、不二家のケーキを買うこともなく、客席にキャラメルを配ることもなく、クリスマスイヴを過ごす。
あ。
夜は大森美紀子さんの芝居を観に行くんだった。
右近健一の短い演劇推進委員会
『ハックルベリーにさよならを』
http://ukrocks.net/sppp/
良かった、さみしい夜にならなくて。
では、また。
追伸
メリークリスマス!