ども、絶不調な岡田達也です。



一昨日、紹介状を手に胃腸専門のクリニックを訪ねた。
その道のりの足取りは重かった。
それはそれは、ハタから見たら人生に負けた落伍者か、10万円入っている財布を落とした人間か、昨日の試合を観に行ったジャイアンツファンか、といったところだろう。

病院にたどり着いた。
玄関を開けるのが辛い。
昔、キャラメルボックスの稽古が辛くて辛くて、稽古場についてもなかなか稽古場の扉が開けられなかったことを思い出す。

なんとか勇気を振り絞り、手続きを済ませ待合室に座る。
手にした読売新聞の文字も目に入ってこない。

「岡田さん、どうぞお入りください」

悪魔の囁きか?
それとも死刑宣告の前触れか?

僕はイスに座った。
先生に症状を訊かれ、人間ドッグで引っ掛かったこと、たまに胃に痛みを感じることなど正直に話した。
笑顔で頷く先生。

逆に訊かれた。
「岡田さん、3年前の胃カメラはどうでした?楽にできました?」

チャンス到来である。
「いやいやいやいや!それはそれは、もう聞くも涙、語るも涙の話なんです!あれは胃カメラという名の拷問でしたね!僕はね、そもそもどSなんです!あんな屈辱はないです!先生、医学は進歩してるんですよね?噂では鼻からカメラを入れられるほどコンパクトになっているとか。そっちでお願いします」

実際に口にしたのはこうじゃなかった気もするが
(記憶の錯乱)
このような内容を伝えた。

すると……
「はい。医学は進歩してますよ。もう少し楽にできると思います。麻酔を強めにしたりね」
そういって優しく微笑んでくれた。

そんなことではだまされない。
その手には乗らない。
こっちだって子供じゃないんだ。

ところが……
のどに麻酔の薬をかけ
(これは前回も体験済み)
ベッドに横になり
(これも体験済み)
口にマウスピースをはめ
(これも体験済み)
もうカメラを入れられて涙を流す準備までできたあとに、手首に注射針を入れられた。
(これは初体験)

「じゃあ、薬を流していきますね」
その注射針から何らかの薬が流し込まれた。


目が覚めた。

ん?
おや?
横たわってはいるが、口のマウスピースがない。

「岡田さん、麻酔が切れるまでもうしばらくそのままで横になっててくださいね」

え?
ひょっとして……

お、終わってる!!!!!
苦しくないよ!
泣いてないよ!
つーか、何にも覚えてないよ!

ばんざーい!!!!!

麻酔が進化してる。

* * * * *

医学は進歩してますよ、みなさん。

もうね、内視鏡と聞いて震え上がってる人、大丈夫。
僕が保証します。
こんな根性無しが何の苦痛も感じることなく終わったのだから。

もしも悩まれてる方がいたら、どうか勇気を持って調べてください。
だって、あなただけの体じゃないでしょ?


さて。
冒頭に書いた絶不調の理由は……
それはまた明日。



では、また。