ども、夏休みの宿題はラストの3日間が命だった岡田達也です。



覚え違いでなければ小学生時代の夏休みの宿題は『夏の友』という名前の冊子がメインだった。
その中に国語も算数も理科も社会もごった煮状態で詰め込まれていたと思う。
毎年、夏休みに入るたび「今年こそは早めにやっつけて遊んで暮らそう!」という誓いを立てていた。
自慢じゃないが、誓いを立てることとそれを守らないことだけは得意な子供だった。
実際、最初の一日くらいは『夏の友』を開いていた。
だが、翌日にはもう手にすることさえなくなる。
当然のごとく友達と遊びほうけ、黒こげになり、脳みそを溶かす毎日を過ごしていた。
そして、お決まりのように最後の3日間は命を削りながら宿題に取り組むことに。
毎年心の中でつぶやいてた。
「誰だ?この宿題に『夏の友』なんてふざけた名前を付けやがったのは?友達でもなんでもねーよ!」

* * * * *

千秋楽の朝、里琴ちゃんに
「オメー、宿題は終わったのか?」
と、この夏、何度も何度も繰り返してきた質問をした。
彼女はいつものように笑いながら
「ううん!終わってない!」
と答えた。
「中学2年でそれはダメだろ!宿題くらいやっておけ!」
毎回そうやってハッパをかけていた。
それは本音だし、おじさんから人生を生きていく上での大切なアドバイスのつもりだった。

だが思い返してみると……
自分が14歳のとき、宿題をやっていたという記憶がない。
全くない。
カケラもない。
おそらく中学時代はすべての宿題をぶっちぎっていたんだと思われる。
最悪の中学生だ。
そんな自分が里琴に「宿題はちゃんとやれ!」なんてチャンチャラおかしい。

何より彼女は、この夏、かけがえのない経験をした。
宿題では得られない経験だ。

先生は怒るかもしれないが、おじさんが許してやる。
里琴、多少の遅れは大丈夫だ!
その代わり、必ず全部済ませろよ!
良い女優さんになりたいなら、基礎学力を疎かにしてはダメだ!
オメーが45歳になって、13歳の子と共演する機会が巡ってきたら、必ずオレと同じことを思うはずだから。

にしても。
よく頑張ったな。
おつかれさま。

* * * * *

『雨と夢のあとに』、全日程終了しました。

劇場に足を運んでくださったみなさん、ありがとうございました!
劇場には行けなかったけど応援してたよというみなさん、ありがとうございました!
劇場にも行かなかったし応援もしてなかったよというみなさん、そんなつれないこと言わずに次は是非劇場で!


さて。
今日から『鹿殺し』さんのお世話になります。
初めての地でどんな景色が見えるやら。
芝居が続くのは大変だけど、やっぱり手元に台本があるのは幸せだ。



では、また。