ども、キュウリ嫌いな岡田達也です。
「岡田達也を倒すには刃物は要らぬ。キュウリ一本あればよい」
そんな文句は存在しないが、間違いなく事実だ。
昨日、稽古後に数人で飲みに行った。
お通しのもやしナムルの中にキュウリがチョビッと入っていた。
本当に凝視しなければ見つけられないレベルだったけど、微かに香る瓜の香り、そしてチラッと見える瑞々しい緑色、これらを見逃すわけはない。
ウソだと思われるかもしれないが、キュウリ嫌いの人のセンサーは驚くほど精度が高い。
確実に「あ、これ怪しい」という何かが働くようにできている。
どんなに細かく刻まれようが、どんな姿に変わろうが、だ。
おそらく
キュウリのある食卓では、その嗅覚はシェパードを超え、その視力はマサイ族の上をいく。
(ウソだと思うなら周囲のキュウリ嫌いの人に訊いてみてほしい)
照明プランナーの黒尾さんに言われた。
「なんで達也はダメなんだろう?キュウリって匂いも味もないだろ」と。
……やっぱり。
……そうなんだ。
今までも同じ事を何度も言われた。
あの、キュウリに、味も、匂いもない。
そうか?
そうなのか?
じゃぁ、自分の感じるあの独特の味と匂いは何なのだ?
昔、その意見に対して反論したことがある。
「いや、絶対にあるよ!」と。
すると
「あぁ、カブトムシの味がするんだろ?」
と言われた。
バカか!オマエは!
カブトムシがキュウリやスイカを好きなだけでカブトムシの味じゃねーよ!
つーか、どんなだよ?
カブトムシの味って!
* * * * *
『雨と夢のあとに』の初演の時。
雨を演じた福田麻由子ちゃん、驚くことにイカ好きのキュウリ嫌いという、まったく僕と同じ味覚の子だった。
そんな些細なことでも親子を演じる上では嬉しい材料だった。
僕は尋ねた。
「なんでキュウリが嫌いなの?」
彼女は言った。
「だってカブトムシの味がするんだもん」
僕は満面の笑みで
「そうだよね~」
と答えた。
* * * * *
ねぇ、みなさん
キュウリって味も匂いもありますよね?
しかもカブトムシの味じゃないですよね?
では、また。