ども、OKをもらえた岡田達也です。
昨日は『雨と夢のあとに』の衣裳合わせが行われた。
衣裳合わせ。
コイツは良い。
コイツは大切だ。
脚本から読み取れる役のイメージを、演出家、衣裳プランナー、俳優で摺り合わせていく。
そして用意された衣裳に袖を通す。
すると
何というか、こう、一つ背筋が伸びる感じがある。
そして自分では何もしてないにもかかわらず役に一歩近付いた気がする。
(そのかわり自分の演技で三歩下がるのだが)
劇団によってはこの作業を一日かけるところもある。
大抵の場合3~4時間だ。
が、キャラメルボックスでは1時間程度で終わる。
だから、いろいろ急がなくてはならない。
心構えも、着こなしも。
『雨と夢のあとに』のキャストは13人。
二役やる人もいるし、一役でも着替えがあったりするから全部で二十着以上になる。
それを順々に着て、成井さんにお披露目する。
まずは最初のシーンに登場する大内と里琴ちゃんとかじもとが並んだ。
瞬間、稽古場がざわついた……。
いや、ざわついたというより、騒然となった。
できることなら「里琴ちゃん、やっぱり可愛いいね!」と騒ぎたかった。
もちろん、里琴ちゃんはカワイイ。
だが、それさえも霞んでしまうほどの存在感を発揮している男がいた。
宮崎が生んだ『ミスター・アンバランス』こと鍛治本大樹だ。
稽古場にいたみんながヤツの周りにたかっている。
そして、みんなみんな、首を斜め45度に傾け「うーん、うーん」と唸っている。
「そのパンツ、腰履きにしてみたら?そうすれば足の短さが気にならないかも」
「そのパーカー、もう少しはだけて着てみたら?そうすれば撫で肩が目立たないかも」
「なんでムッチリして見えるんだろう?白いから?じゃあ、ちょっと日焼けしてみたらどうだ」
「とりあえず筋トレは禁止してみる?そうすれば二の腕も細くなるし」
ああ見えてかじもとは男前だ。
似合う洋服だってイッパイある。
だが、衣裳合わせの時は大抵苦戦を強いられる。
どうやっても“衣裳を着こなす”のではなく“衣裳に着られてしまう”のだ。
ヤツ以外の全員が一発OKの中、かじもとは給食が食べられなくて休憩時間を与えられない子供のようになっていた。
ひょっとしたらヤツには苦痛の時間なのかもしれない。
大丈夫だかじもと。
きっと衣裳がオマエの演技を助けてくれるよ。
みなさま、確かめに来てくださいね。
では、また。