ども、国民栄誉賞を受賞する可能性はきわめて低い気がする岡田達也です。



昨日、サウナに出掛けた。

セリフを覚えるだけなら家でやればいいのだが
我が家というのは非常に居心地が良く
すぐにゴロン、ゴロン、zzzz……
という流れになってしまうことが多い。
また、寝なかったとしても
台所に置いてある酒のつまみとビールが非常に気になってしまい
文字が頭に入ってこないことが多々ある。
まるで「誘惑の巣窟」である。
ならば思い切ってサウナに出掛け
ひとっ風呂浴びてレストコーナー(休憩室)などで本を読む。
これがお気に入りのやり方だ。

* * * * *

そのサウナのレストルームは簡易ベッドがズラッと並んでおり
一人に一台ずつ小さなテレビが設置されている。
僕の目的は寝ることでもテレビを見ることでもないので
ベッドに横になり台本を開いた。

ところが……
隣のおじさんのテレビから
国民栄誉賞授賞式の生中継が映し出されているではないか!
僕は慌てて自分のテレビのスイッチを入れ、台本を放り出した。

* * * * *

今はそれほどでもなくなったが
僕は「アンチ・ジャイアンツ」だった。
理由など何もない。
父親の教育のおかげだ。
鳥取の子供たちは9割がジャイアンツ・ファンである。
オマケにそのウチの9割9分が王・長嶋ファンだった。
そんな中でアンチを貫くのは厳しかった。
周りは敵だらけなのだから。
実は僕だって
王さんの一本足打法をマネしたかったし
長嶋さんのスローイングの後の右手ヒラヒラをやってみたかった。
だけどそれを封印し、僕は野村克也派を宣言していたのだ。
今考えれば、恐ろしく地味な小学生だ。

ただし。
二人が引退を発表したときはさすがにショックだった。

“スパースターというのはいつまでもそこにいて輝いているもの”
そんな子供ならではの勝手な思い込みを僕はしていた。
グラウンドからいなくなるということがどうしてもピンと来なかったのだ。
テレビをつけてジャイアンツ戦を観れば
必ず一本足はホームランを打ち
ミスターは派手なプレーを届けてくれていたから。

この二人の引退が
僕に「スポーツ選手には寿命がある」と教えてくれた。

* * * * *

誰にも言えなかったし
一度も口にしたことはなかったが
長嶋さんの現役時代に間に合ったのはとても嬉しい。

そして昨日
目に飛び込んできたテレビを見て興奮している自分がいたことを
自分自身が一番驚いていた。
やっぱり僕も
自分が思っている以上に
長嶋さんが大好きだったのだ。


長嶋さん、受賞おめでとうございます。
どうかいつまでもお元気で。



では、また。