ども、稽古最終日を迎えた岡田達也です。



今回の若手枠、もしくはメガネ枠の1人に
箱庭円舞曲の須貝英くんという俳優さんがいる。
役者だけではなく、脚本も書き、演出もするマルチな俳優さんだ。

その英ちゃんに言われた。
「僕、学生時代、『TRUTH』をビデオで見たんです。あの作品、大好きなんですよ。で、今、あの芝居に出ていた人と共演できてるなんて不思議です」

おおっ。
とても照れ臭いぞよ。
だけど、やっぱり、嬉しい。

「うん。今、こうして一緒にいるのが不思議です」
英ちゃんは何度も「不思議」という言葉を口にした。

なるほど
そういうものなのかもしれない。

僕は「芝居」の世界には何の興味もなかったので
憧れる俳優さんもいなかった。
逆に。
今はちょっと離れてしまったけど
キャラメルボックスに入り立ての頃はプロレス好きだったので
当時、プロレス実況を担当していたジャストミート福澤アナが観に来てくれたときは
「うわぉ!ホンモノだよ!あぁ、この世界に入って本当に良かった!」と
俳優さんでもない人に出会えたことを心底喜んだりした。

だけど。
まがりなりにもこの世界に入り
たくさんの舞台を観ているウチに僕にも憧れる俳優さんはたくさんできた。

何しろ根が惚れっぽい男だ。

カクスコで観た井之上隆志さん
遊気舎で観た後藤ひろひと大王、久保田浩さん
ナイロン100℃で観た峰村リエさん、みのすけさん
サモアリナンズで観た平田のあっちゃんに、久ヶ沢徹にいさん……

など、数え上げればキリがないけど
「すごい」や「面白い」や「かっちょいい」といった
とにかく僕が客席で「うっひゃー!」と思わせてくれた人はたくさん現れた。

そして時は経ち。

「不思議なことに」
そのうちの多くの俳優さんたちと共演する機会が持てた。

「継続は力なり」という言葉を信じて良いものか
「縁」という見えない何かを信じて良いのかわからないけど
とにかく目の前には、好きな俳優さんが立っていたりする。
そのくせ
一緒にセリフをかわしてても、最初のウチは現実感に乏しい。
「あれ?自分、なんでこの人と稽古場にいるのだろう?」と。
だから僕にも英ちゃんの気持ちはわかる。


ひょっとすると英ちゃんの演劇人生に影響を与えられたのだろうか?
そんな大それたことを目標に舞台に立ってるわけじゃない。
だけど
誰かの気持ちを一瞬でも揺らせることができるのならそれにこしたことはない。


『サイレント・フェスタ』
そんな芝居になればいいな。
なるかもしれないな。
ならないかもしれないな。
なってほしいな。

数年後に
「あの芝居、面白かったんだよ!」
と言ってもらえるように。

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では、また。