ども、バクバクして目が覚めた岡田達也です。



宿泊先だった。
ここはどこだろう?
大阪か神戸か、はたまた博多か……。
確かなことはわからない。
ただ、ゴージャスなホテルだということは確かだ。
キングサイズのベッドが2台置いてある。
部屋の大きさもドデカイ。
それなのに、ここが1人部屋だという。
何という贅沢!
それを割り当てられている自分は、何という好待遇を受けているのだろう。
普通の劇団ではあり得ない贅沢だ。
だとすると
客演で来ていることは間違いないのだけどそれがどこの劇団かわからない。
まあ、いい。
明日は劇場に入って芝居をするのだ。
そのときに思い出せば十分だろう。
確か明日はマチネだ。
そうそう、間違いない、14時の回だった。
だから早めに起きて体を起こさなければ。
よーし、8時には起きよう。
部屋の時計を見た。
……。
見間違いか?
時計の針が7時30分を指している。
なんてこった。
こんな時間まで飲んでしまった。
起床時間まであと30分しかないではないか!
これだから部屋飲みはダメだ。
ダラダラと長く飲んでしまう。
僕は慌てて部屋で飲んでいた数人に声をかけた。
「ちょっと悪いけどもう寝るからみんな部屋に帰ってくれ!」
みんなゾロゾロと部屋を出て行った。
だが。
1人だけキングサイズのベッドにうつ伏せになり山のように動かぬ男がいる。
番長・清原和博だ。
いや、1人だけではない。
その番長の太ももあたりにマッサージ機を押し当ててる女性もいる。
僕は考えた。
はて?
なぜここに清原がいる?
しかも、なぜここでマッサージをさせている?
いくら考えても答えが出ない。
僕は勇気を出して声をかけた。
「番長、悪いけど自分の部屋に戻ってくれ」
清原は真白い歯を光らせながら答えた。
「ええねん、ええねん、ここで。気にせんといて!」
「……いや、あの」
「あぁ、こいつのことか?こいつは雇っているトレーナーやねん。だから心配せんといて!」
「ううん、そうじゃなくて」
「あぁ、達兄もマッサージして欲しいんか?ええで、ええで、ワシの後でやってもらい!」
「いや、番長、もう寝たいんだけど」
「おう、そうだな、よう飲んだな!」
それ以上、何も言えなかった。

彼の威圧感はハンパなかった。
何一つ太刀打ちできなかった。
年齢は一緒なのに……。



では、また。