ども、帯の達人こと岡田達也です。



時代劇である。
動きに慣れるため稽古段階から
男性陣は袴を
女性陣は着物を着用する。

稽古初日
時代劇初参加の鍛治本大樹が泣きそうな顔ですり寄ってきて
「お、お、おび、び、びび」
と意味不明なことを呟くので何かと思ったら
どうやら帯の結び方を教えて欲しいと言いたかったようだ。

そりゃそうだろう。
僕だって初めて袴を履いたときは苦労した記憶がある。

慣れればどうってこと無いのだが
一度や二度では覚えられないほど難しい。
この日記を読んでくださっている男性陣でどれだけの方が帯を自分で結べるだろう?
きっと多くはないように思う。

浴衣のときなら「貝の口」
袴を履くときなら「一文字」
着方によって結び方も違う。

さすがに20年も結び続けてきたので
鍛治本大樹にもキッチリと説明してやれた。

だが。
帯を結ぶたびに思うことがある。

昔の人たちは何故こんな面倒なことをしていたのだろう?と。

機会があったら挑戦してみて欲しい。
美しく、キッチリと結び上がれば気分も良いが
そこにたどり着く行程があまりにも複雑で
最初はどうしても不細工なものになるはずだ。

一体、誰が、何の目的で、このような結び方を発明したのか?

20年結び続けた僕の答えは
「将来、時代劇をやる俳優を困らせるため」
コレしかないように思う。

まったく、困った人がいたものだ。



では、また。



追伸

『相棒』見てくださった方、ありがとうございました!
「怪しい」
「胡散臭い」
「オマエが犯人だろう」
「エロい」
など、的確なご指摘が嬉しかったです。
また何かの機会があればお知らせしますね。