ども、遙か彼方まで見渡せる岡田達也です。



僕の住む区から案内が届いた。

「区民健診の案内です。
自己負担400円で眼科検診が受けられます。
緑内障などにかかる可能性が高い40歳男性のみなさまへ
このご案内を送らせていただいております」

そうなのか。
40歳を過ぎた男性は目の病気にかかりやすいんだ……。


『TRUTH』再演の稽古中、右目を病気してしまったが
視力が悪くなったわけではない。
網膜脈絡膜炎
(「もうまくみゃくらくまくえん」と読みます。早口言葉みたいでしょ?)
という病気にかかってしまい
ちょいとばかし物が歪んで見えるのだ。
(後輩たちは「それはあなたの心が歪んでいるからだ」と言うが、それを発言したヤツら全員の顔を歪ませてやった)

その病気にかかったときのお医者さんの言葉が忘れられない。

「この病気はね、不思議と男性がかかる病気なんです。しかも決まって30代後半から40代の男性。原因は過度のストレスと言われています。そうそう、昔はね、戦争に行った男性が戦地でよくかかっていたそうですよ。まさか、今のご時世で武器を持って戦うわけではないですもんね。何か思い当たる事はありますか?」

僕は、このお医者さんの言葉を、震えながら聞いていた。
「過度のストレス」
「武器を持って戦う」
この2つのキーワードだけで十分だった。

思い当たる。
当たりすぎる。
『TRUTH』というハードなお芝居であること
上川隆也という人間離れした男を相手にすること
時代劇なので刀を持って戦うこと

僕は苦笑いしながら
「……そうですよね。武器を持って戦うわけではないですもんね。何でしょうね?」
と答えた。

しかし、心の中では
「……いやいや、先生。僕は毎日、稽古場という戦地に出向いているのですよ。そして刀という武器を振っているのですよ。そしてギリギリを狙ってくるヤツらの刀をかわし続けているのですよ。アンドロイド並のメカを……、いや、人間を相手に戦っているのですよ。ストレスも溜まります」
と呟いていた。


その後、薬のおかげでずいぶんと症状は軽くなったし
元々視力が良いのでそんなに不便は感じないで暮らしているが。

さて。
健診に行ってみよう。
どんな結果が出るのやら。
心配は緑内障よりも老眼である。



では、また。