ども、マッチ棒を載せてみたくなった岡田達也です。



『容疑者χの献身』を終え家路についた。
(余談だが。「『容疑者χの献身』という芝居をやるので観に来てください」と自分の周囲の知人に宣伝すると、8割方の人が「岡田さん、容疑者の役ですか?」と訊いてくる。僕の知人は揃いも揃って見る目がないようだ)

山手線に乗った。
混雑していた。
隣に若い女性が乗ってきた。
彼女の顔を見て驚いた。

マツゲが長い。

単に「長い」と言われても伝わらないだろう。
でも
『容疑者χの献身』で容疑者じゃない役を演じ終え
疲れ切った自分が再び目覚めるほど驚いたのだ。
思わず二度見してしまった。
その後、しばらく彼女を見たまま動けなかった。
それほどの長さだった。

ああ、このマツゲ、何かに似ている……。
何だっけ?
あ!
最近見なくなったが
一昔前、家を建てるとき、大工さんが、
太い角材をカンナで削るという作業を必ずやっていたものだ。
その、カンナからはき出される「おが屑」だ!

もしくは
落ち葉などをかき集める熊手だ!

もしくは
あんまり食べたこと無いけどフカヒレだ!

……イマイチ表現し切れていないな。
まあ、いい。
とにかく普通ではない長さ、ということだ。

「足が長い」というのは他人様に羨まれる要因だ。
「手が長い」も悪くない。
特にボクサーなら万々歳だ。
「指が長い」というのも結構羨ましがられる。
ピアニストならお金を払ってでも手に入れたいだろう。

しかし、毛の場合。

「髪の毛が長い」というのはどうだろう?
髪の毛が長いからといって羨ましがられることは少ないだろう。
長いのが好きならば伸ばせば良いだけだ。
「脇毛が長い」というのは好まれない。
特に女性の場合は処理してしまうほどだ。
「すね毛が長い」というのも好まれないケースが多い。
特に女性がすね毛の濃い男性を見る目は厳しい場合が多い気がする。
「鼻毛が長い」というのは論外だ。
笑いものになるしかない。
(畑中よ、処理しておけ)
「陰毛が長い」というのはどうだろう?
他人様の陰毛など銭湯かスパでしか見かけないが
長いからと言って人に自慢できることでもないだろう。

何故だ?
何故に「マツゲ」だけは長いのが好まれるのだ?

いや、僕は別に長くなくても普通にあればいいと思うのだが。
その隣り合わせた彼女のマツゲの重量はハンパない気がする。
瞼の筋トレをしているのか?と疑うほどだ。
冒頭、マッチ棒を載せてみたくなったと書いたが
本音を言えばマッチ箱を載せた方が早いかも、と思った。

マツゲ、恐るべし。



では、また。