ども、反省しきりの岡田達也です。



初日の幕が開いた。
出演者一同
大きな、大きな、緊張に包まれながら
それでも
温かいお客さんに助けられ160分(休憩込み)を完走した。

僕自身も
稽古場とはかけ離れた精神状態のガチガチくんではあったが
それでも
チャレンジするべきところ
押さえるところ
多少の反則技
と、最低限の役割は果たせたように思う。

カーテンコールを迎えた。
拍手が鳴りやまず
2度、3度と舞台に登場する。
3度目のときは客席を見て驚いた。
スタンディングオベーションだった。
しかも一人二人ではなく
それはそれは圧巻の
ひょっとすると客席全員が立ってるの?
と確かめたくなるほどのお客さんが立ち上がって拍手を送ってくれている。

なのに、この時点で、僕は戸惑っていた。

楽屋に戻り衣裳を脱いでいるとパパイヤさんに話しかけられた。
「岡田くん、岡田くん!」
「何ですか?」
「オイオイ、今日、初日だろ?何なんだ、あの盛り上がり?これ以上オレを感動させないでくれ!」
明らかに高揚している。
そりゃそうだろう。
あの客席の空気に触れたならその反応が正しいと思う。

僕は引っ掛かっていたのだ。
初めて携わるミュージカルの世界
(演出家の吉川さんはあくまでも「音楽劇」と言い張るが便宜上そのように書かせてね)
僕にとっては
お客さんの反応も初めての体験となる。
つまりは
この世界のスタンダードを僕は全く知らないのだ。

もしかすると
ミュージカルでは3度4度のカーテンコールなど当たり前で
スタンディングオベーションもあって当然、無ければ大問題
という可能性もあるのかな?
なんて考えてしまったのだ。
(まったく面倒な人間だ)

終演後、ロビーで行われた初日乾杯にて
初演に出演していたメンバーにそのことを尋ねてみた。
「ううん、初演ではそんなこと無かったよ。本当に面白かったから立って拍手してもらえたんじゃないかな。今日の反応は本物だと思うよ」

ああ、素直に喜んでおけば良かった、と反省した。
どれだけ疑心暗鬼なんだ、自分?とガッカリした。
と同時に
とてもホッとした。
やっと素直に嬉しくなった。

だからといって今日からもスタンディングオベーションを目指すわけではない。
これはあくまでも僕個人の意見だが
精一杯の思いを込めて拍手できればカーテンコールは1回でも十分
という考えの持ち主なので
回数だとか立つ立たない、などで芝居の出来不出来を判断したくない。

ただただ
気持ちよく拍手を送ってもらえる芝居
そこを目指すのみだ。

今日も楽しんでもらえるように。



では、また。



追伸

唐揚げ、無事に食べました。