ども、残すところ7ステージになった岡田達也です。



正確に記憶して無くて申し訳ないが……
確かキャラメルボックスが初めて神戸に来たのは1990年ではなかったか。
(もしかするとその前年だったかも)
僕も、俳優としてではなく製作部として入団したときから神戸に来ているので
かれこれ20年になる。
来始めの頃は
バブルの名残の風がまだ日本全国に吹いており
神戸の街だって例外ではなかった。
新しく、賑やかなお店が
次から次へと出来ていく印象だった。

だけど。
この20年の間にいろんなことがあった。
阪神淡路の震災
リーマンショックの不況など
本当に本当に
状況を変化させるには十分な力が働いた。
いつ頃からか
新神戸オリエンタルアベニュー
(オリエンタル劇場が入っている複合施設)
に来るたび
入っているお店が変わっていることに気が付いた。
出店しても1年もたない、というお店が多くなった。
そんなにここで買い物する機会などは無かったけど
それでもちょっぴり寂しい思いでそれを見ていた。

そんな中。
変わらない。
たった一つ変わらないのが
新神戸オリエンタル劇場だ。
ここは、
ここだけは20年前と同じ顔を見せてくれている。
そして来るたびに想うのだ。
「日本一の劇場だ」と。
今、キャラメルボックスのお芝居を上演する上で
もっとも過不足無いキャパシティだと思うし
3階建てという構造になっているけど
2階だろうが3階だろうがまったく距離の遠さを感じさせない。
舞台上の広さも十分だし
何よりプロセニアムが高いのが良い。
(タッパが高いと言えば伝わるだろうか?
とにかく客席から見て舞台の天井が高く見えるということ)
そうすると照明が身震いしたくなるほど美しく見える。
一見すると高低差がない客席は
「もしかすると見にくいのでは?」
と思ってしまいそうだけど
互い違いになっている配列でその心配は無し。
オマケに客席のワイドも広く
そのフカフカのクッションは他で味わったことがないほどの座り心地だ。
(逆に言えばあまりの心地よさに眠気が襲ってくるとも言えるが)
そして、何より、残響。
台詞の響きはここが最高であることは間違いない。
気持ちよく、良く聞こえる。
本当に見事な造りだと思う。

何度か
「東京にも同じ劇場が建てられないか?」
と思ったりもした。
いっそのこと自分で創れないだろうか?とも。
(年俸3億貰ってるんだろ?
それならいけるんじゃないか?と思ったあなた。
我が家の家賃は、約2億5千万円くらいなのですよ)
ま、冗談はさておき。
ここで芝居が出来ることは
無条件に嬉しいのですよ。
そして、
ここで芝居が観られることもステキなことだと思うのです。
残り一週間。
神戸の街だけではなく
この劇場も堪能させてもらいます。



では、また。