ども、白状するとサンタさんを信じてた時期が無かった岡田達也です。




「サンタクロース」という存在は知っていた。

確か母親に教えてもらった。

でも、それが

“自分のところにもやってくる”

というふうには

どうしても理解できなかった。

何だろう?

母親の説明の仕方が悪かったのだろうか?


そもそも共働きで忙しかった両親から

童話・昔話の類を聞かされたことがない。

代わりに教わったのは

父親からは

パチンコ屋での玉の拾い方と

そしてパチンコの打ち方

(昔はね1発1発手で玉を入れながら右手で弾いてたのよ)

母親からは

ツベルクリンやら日本脳炎はいかに恐ろしいか?

だから予防接種は必要なんだ

という医療に関する実用的なことが多かった。


それでも何となく

「決まりものだから」

という理由で靴下をおいてみたりしてた。

小学校に入る前々はキャラメルやチョコが置かれていた。

それを置いてくれるのは

母親以外には有り得ないと思っていたし

(ちょうどその頃は二人暮らししてたので)

母親も

「何が何でも信じさせよう!」

とは思ってなかっただろう。


小学校2年生の時。

「オセロゲームが欲しい!」

と言った。

その数日後

「やっぱりグローブが欲しい!」

と言った。

子供心は変わりやすいのだ。

ところがそれを聞いた父親が

「ん!

それは、ちょっと、まずいな。

サンタさん、もう準備しちゃってるんじゃないか」

と言い出した。


ああ、そうか。

お母さんは信じさせるつもりは無さそうだけど

お父さんはサンタを信じさせたいんだ……。

僕は理解した。


「そうだよね。

もう、出掛けてるよね。

また来年頼むことにする」

僕はかなりの優等生発言で父親を安心させた。


ところが……。

朝起きて枕元を見てみると

確かにオセロゲームは置いてあるのだが

そこに1枚の便せんも添えてあって

内容は忘れてしまったけど

書かれている文字が父親の字そのもので

オマケに使われているのが父親が愛用していた筆ペンだった。


……。

お父さんよ。

そいつはダメだ。

せっかく

「サンタを信じてるという芝居をしよう!」

と意気込む息子に向かって

そんなネタバラシをしてしまっては……。

もう少し繊細にしてくれなければ。


でも。

でもね。

サンタクロースの正体は両親だという確認ができて

で、それがイヤだなんてちっとも思わなかったし

きっと現実はそういうものなんだろうと思ったし

(可愛げがないな)

それはそれで十分に嬉しかったし。


これが僕のサンタクロース体験(経験?)。

「サンタクロースを何歳まで信じてた?」

というこの時期定番の質問に答えてみました。



さて。

本日『サンタクロースが歌ってくれた』、大千秋楽。

長かった長かった公演も終わりを迎えます。

(オマエは短かったけどな)

客席はイッパイのようですが

お隣の展示ホールで中継もやるみたいです。

よろしければ遊びにいらしてください。




では、また。