ども、「風よ止め!」と呟いている岡田達也です。





せっかくウチから眺められる公園の桜が満開になったのに……。

その初っぱなから強風だなんて。

桜吹雪を見るには早すぎる。

どうかもう少しだけ散らないでおくれ。

だって、まだあなたの樹の下で乾杯してないのに!

そんなの勿体ない!



東京には桜の名所がたくさんある。

上野公園も

千鳥ヶ淵も

井の頭公園も

砧公園も

それはそれは見事な眺めで

何時間でもそこにいられる。

ボーッと眺めていられる。

共通しているのは

広くて景色が抜けていること。

確かにその方が気持ちが良い。


だけど

僕が日本で一番思い入れが強い桜の名所は

大阪芸大の入り口だ。


決して広い景色が広がっているわけではない。

幅10mほどの急な坂道が100mほど続いていて

その道を必死で登っていると

(必死でなければ登れない!)

その左側にズラッと桜の木が並んでいるという構造。


あまりに急な坂道だから

みんな前傾して歩く格好になる。

すると必然的に足下だけをみてしまう。

でも

半分ほど登ったところで足を止めて

フト顔を上げると

信じられないほど美しい桜が迎えてくれてる。


あの景色が僕は好きだった。


入学して最初の年。

どれだけワクワクしてたろう。

桜はその気持ちを高ぶらせてくれた。

大学に馴れたきた2年目。

20歳を迎えた3年目。

見納めだと思って感慨深かった卒業の年。


同じ桜なのに

毎年

まったく違う気持ちで眺めていた。


あの桜を見ながら

どれだけ笑い

どれだけ泣いたことだろう。

(「お前が泣いていたのか?」というツッコミはこの際置いておこう)


もしかすると

今の自分は

桜を見て笑ったり泣いたりはしないかも。


だけど

それは

あの頃より多感でなくなったわけじゃない。

あの頃より老成したわけじゃない。

あの頃より大人になったわけじゃない。


舞台の上で

笑って泣いてって。

そんなことをたくさんするから。

だから

そこに

取ってあるだけ。



桜を見るといろんな気持ちが沸いてくる。

桜を見ると優しい気持ちになれる。

桜を見るとお酒を飲みたくなる。

(それは必要か?)


そんな桜のような(?)舞台を務めてみたい。


いやいや

そんな舞台をやってますよ。


残り4ステ

お見逃し無く。





では、また。