ども、一皮むけた岡田達也です。





知り合いが出展してる油絵を見るために上野美術館へ。

心持ちとしては

その人の絵よりも開花宣言がなされた桜を楽しみにしていた。

が、残念ながらまだ目で楽しむほど咲いてはいなかった。

仕方がないので蕾を眺めながら缶ビールで乾杯。



その後は身体が風呂を欲していることが分かったため

いくつかのスパ候補を頭の中で挙げてみる。

……。

そうだ!

久しぶりに、アカスリをしてもらおう!

世間の3連休も一生懸命働いていたのだ!

それぐらいのご褒美を自分にあげても良いではないか!

じゃあ、アカスリのあるところにするべ!

(大きなスパ施設なら何処にだってあるけど)


でも……。

以前行ったあそこのお店は

アカスリをしてくれた人に

「あのー、キャラメルボックスの岡田さんですよね?」

と素っ裸で垢を落とされ腑抜けになっている直後に

声を掛けられて狼狽する

といった失態を見せてしまっているので

ちょっと敬遠した方が良いか。

ならば西川さんやももこちゃんに勧められているお店に足を伸ばしてみよう!

というわけで電車に乗ってちょいと遠方まで足を伸ばし新規開拓してみた。


いやはや、素晴らしいお店だった!

建物の雰囲気、お湯、岩盤浴の種類

どれを取っても僕の好みで

「ああ、もっと早く知っていれば……」

と後悔させてくれるほど。

これならばアカスリも期待できる。

僕は予約して風呂場に向かった。


アカスリを経験したことない人には分からないかもしれないが

基本的にアカスリの前に体を洗ってはいけない。

垢が出なくなるからだ。

それと

できるだけサウナでも湯船でもいいから温浴を繰り返し

発汗しやすい状態にしておく。

これさえ守っていれば面白いほど垢が出る。


ところが……。


久しぶりのアカスリだけに予想以上の垢を期待してたのだが(汚いな……)

どうやらあまり出ないらしい。

擦ってくれてるお姉さんに

「もしかして体を洗いました?」

と訊かれ

「もしかして昨日もアカスリしました?」

と問われ

終いには

「これだけの垢じゃねー。

見るとガッカリするかも」

とトドメを刺される始末。


いや、良いのだ。

別に垢がたんまり出なくとも

一皮むけたような気持ちになれるし

代謝は上がるし

十分に気持ち良いのだ。

ところが

そのお姉さんは不満そうで不安げな声のままだった。


「以前やったのはいつですか?」

「半年くらい前ですかね……」

「そのときは出ましたか?」

「はい、かなり出たと思います」


おそらく

このお姉さんは真面目でプロフェッショナル体質なのだろう。

僕にアカスリの良さを伝えたいのだろう。


ギアが一段上がった。


擦る強さが増し

擦るスピードが2割増しになった。


い、痛い。

垢が出るのではなく健康な皮がむけそうだ。

苦痛に顔が歪む。

すかさずお姉さんが訊いてくる。


「痛いですか?」


その声にはどこか怒気が含まれており

迂闊に返事できない強さがあった。


「いえ、ちょうどいいです……」


ああ、なんて気が小さいんだ、自分。


先ほどよりは若干垢も出たらしく

彼女は満足そうに言った。


「さっきよりは出ましたね!」


当たり前だ。

そんだけ擦れば何かがはがれるわ!

というツッコミは心の中だけにして

僕は丁寧な返事を返しておいた。


「おかげさまで、ありがとうございます」



今週の岡田達也の芝居は一皮むけている。


はずだ。


乞うご期待。





では、また。