ども、男に抱きつかれる岡田達也です。






パンフレットやらトーク&フォトブックなどでよく登場させる『まるさわ』というお店。


僕の叔母が経営しており、僕の親父もそこで働いていた。

鳥取駅の真ん前という一等地にあったお店(現在はミスター・ドーナツになっている)。

元々は土産物屋だったんだけど

観光地としての力が薄れてきたころから商売替えをしてファーストフード店に衣替えしていた。

いわゆるダイエーやジャスコの中に入っているフードコートみたいな感じだ。

お好み焼き、焼きそば、たこ焼き、タイ焼き、ワッフル、ソフトクリーム……。

小腹を満たすには最高の食べ物たちをワッセワッセと作っては売るのだ。

実際、学校帰りの学生さんやらタイ焼きを買い求めるおばさま方で繁盛していた。


僕も高校2年の時くらいからバイトで入っていたのだが

他にもたくさんのバイトさんがいた。


おばちゃんの息子である慎一郎くん(つまり従兄弟ね)は僕の2歳年上で

鳥取では名門の進学校鳥取西高校に通っていた。

彼自身は人見知りが激しくとても接客業をやるタイプではなかったのだけど

彼の友人たちが賑やかでハッピーな人柄の人が多く

10人近い友人が入れ替わり立ち替わりバイトに入っていた。

さらにその高校の一つ後輩である(つまりは僕の1歳年上)メンバーも3人ぐらいバイトに入っていた。


この男共が実に格好良かったのだ!


もう時効だと思うから書くが

僕の学生生活は随分と派手目なモノだった。


朝は一番で

『サンパルエース』か『サンロード』というパチンコ屋のモーニング(そういう仕込みがあったのね)に並び

その後、学校に向かう(打ったかどうかは書きません)。

学校に忍び込んで授業を受け(ここは真面目よ!)

終業と同時に『まるさわ』に駆け込む。

16時くらいから22時くらいまでお店で働き

その後はバイトさんたちと麻雀タイム。

日付が変わった辺りで近所のスナックへ。

(行きつけは『盗賊の館』だったな。懐かしい!)

当時はカラオケボックスなんてなかったから歌うのはもっぱらスナックだった。

飲むものを飲み(内容は想像に任せます)

歌うだけ歌い(当時は何を歌ってたかな~?)

小腹が空いたら『やまいち』(このお店は現存するはず)で親子丼を食らう。

すると朝日が顔を出す。


そんな日々だった。


こう書くと無茶苦茶に見えるが(実際にそうなのかもしれないけど……)

こういう遊びを実にスマートに教えてくれたのがバイト先のお兄さんたちだった。

まったく泥臭くなく

人に迷惑をかけることもなく

気持ちよく遊び

しかもちゃんと勉強をしている人たちだった(そこが僕とは大きく違ったな)。


それに人を気持ちよくさせる名人たちばかりだった。


人の話はどんなことがあっても否定しない。

腹が立っても揉めない。

最後まで話は聞く。

意見を求められればサラッと言う。

そんな聞き上手でアドバイス上手な人たちばかり。

それが、いつでも、どこでも。



僕はそのお兄さんたちに憧れた。


仕方ないだろう。

その年頃にそんな人たちに囲まれてしまうと

学校での会話がどうしても幼く感じられてしまったり

授業に退屈していた僕は

(入学して一週間で建築の道を諦めたのだから当たり前か)

放課後の時間の方が楽しみで楽しみで仕方なくなっていたのだ。


だから、いつでもどこでもついて回った。


目一杯背伸びしていた。


このお兄さんたちに追いつきたかった。



僕が大阪の大学に入学して

その後お店も無くなってしまい

みんなとは離ればなれになった。

その後の消息もしばらくは噂でチラホラ聞こえてたけど

最近ではそれも聞こえ無くなった。



結局、自分が彼等に追いつけたかどうかは分からず終いになってしまった。


でも、だからこそ「あんな風になりたい!」という想いが今でも消えることなくある。


「男に憧れられる男」。


まあ、憧れられる理由は何でもよろしい。

(僕のように“遊び上手”って部分に憧れるのもどうかと思うけど……)


「あんな風になりたいな」

「あんな風で在りたいな」

「あんな風に生きてみたいな」


同性にそう思われてみたいという強い強い願望は

僕が17歳の時からずっとある。



ま、そんなことを書きながらも

その反面、兄さんたちに甘えていたことも忘れられなくて

年下気質からも抜け出せないでいる自分がいるのだが。




いかがかな?

何故、男にもてたいか。

ちょびっとは理解して頂けただろうか?


「お前、ただ遊んでいただけじゃねーか!」

と言われればその通りである。


でも、生きていく上で必要なことは彼等から学んだと言っても過言ではない。

学校に通っているだけでは分からないことだってたくさんあるのだ。




みんな、元気かな?


今、僕が芝居をやっているって知ったらみんなどんな顔をするだろう?

驚くだろうなー。


会いたいな。






では、また。