ども、一昨日の日記から続いている岡田達也です。




そのステージが終わったあと僕は彼に言った。

「落書きでもなんでもいいから

せめて文字を書いたらどうなんだ?」


彼は答えた。

「いや、その後にセリフがあるので

ちゃんとした文字を書いていると(それに夢中になって)セリフが出てこないかもしれないんです。

だからいいんです、これで」



……。

……。


おいおい。
一応役者だろうが?

文字くらい書けなくてどうするよ。


僕は楽屋でコンコンと彼に言って聞かせた。

が、彼は

「文字を書くのは難しいです!」

と半ばやけ気味で主張するばかりだった。


この話を隣で聞いていた御大・西川浩幸が僕の耳元で囁いた。

「達也くん、三浦に試練を与えてやりなさい。

それを超えれば彼はもっと良い役者になるはずだ」


大先輩の指令である。

決して逆らってはいけない。

僕は肝に銘じて三浦を揺さぶり続けることにした。



みなさんは乾麺のパスタを囓った経験はお有りだろうか?


これ、ポリポリと実に良い音がするのだ。


しかも1本ではなく束で食すと

「ポリポリ」

「ボリボリ」

に変化し

音量も倍増していく。



次のステージから僕の囓るパスタの量は計り知れないほど増えていった。

しかもそのパスタを三浦の耳元で囓るのだ。


「ボリボリボリボリボリボリボリボリ……」


耳元で蚊が

「プーン」

と飛んでいるのとは訳が違う。

ある意味迫力満点である。


三浦は懸命にネズミを追い払おうと手をブンブンと振り回す。

が、こっちは動物である。

何でも有りだ。

ヤツの手をすり抜け

足下に潜り込み

ヤツの革靴を脱がしそれを舞台の端に放り投げてやった。


“目には目と歯を”を信条にしている岡田達也である。

“ジャイアン”と呼ばれている岡田達也である。

“人類が生んだ最後の鳥取県民”(たかやん先輩限定)ではなく

“人類が生んだ最高傑作”と畏怖されている岡田達也である。


なめてはイケナイ。


岡田達也を片手で振り払おうとするなど所詮無理な話なのだ。
僕に攻撃を仕掛けてくるならば

それなりの覚悟を持ってもらわないとイケナイ。


三浦は飛ばされた靴を見て小さく呻き

僕を睨みつけた。

そして側にいる阿部祐介の方を見て何事か目線を送っている。


そのときは意味が分からなかったが

楽屋に戻ってきて理解した。


「祐介!

どうして俺が「靴を取ってくれ」って目線を送っているのに無視するんだよ!」


なるほど、そういうことか。


「いやー、まったく分かりませんでした(笑)」


さすがに超マイペース男の祐介だ。


「お前、次に同じ事があったら絶対に拾ってくれよ!」


おや?

三浦よ、まだそんな強気な口が叩けるのか?


僕はパスタの本数をもう少し増やすことにした。






つづく





あれ?

こんな長文になる予定じゃなかったのになー。

おかしいな?

どうしてこういう下らないことは鮮明に覚えているんだろう?

まあ、もう少しお付き合いください。





『さよならノーチラス号』 音声ブログ

http://www.voiceblog.jp/caramel-voice/


電話での聴き方、アップしました!

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一度はパソコンからの手続きをしなくてはなりませんがこれで行けるはずです。

是非、ご利用ください!


ちょっと手続きがややこしいというご意見も頂きますが

これしか方法が無いのです。

どうか頑張って挑戦してみてください。