ども、もはや寝返りを打つことができない岡田達也です。






「千本ノック」ならぬ「千本ダンス」。

どうかこの苦労が報われる日が来ますように……。





昨日に引き続きサウナの話。

「縁がない人には 「何やら恐ろしいところなんじゃないか?」 と思われるかもしれないがそんなことはない。」


なんて書いてしまったが

今日の話はとても恐い話だ。

今なら笑えるがその時はかなりの恐怖体験だったのだ。



その日は本番終了後

よく頑張っている自分たちへのご褒美として

サンシャイン劇場近くのサウナに泊まろうという話になった。

しかもその日は贅沢してカプセルホテルに泊まってしまえ!

という話になった。


サウナというのは雑魚寝できるスペースがあるのだが

もう1000円ほど払うと

カプセルホテルという

“鰻の寝床”的なプライベート・スペースが与えられる。

立ち上がることはできない。

正座することすら不可能な高さ。

頭から突っ込んで眠るだけのスペース。

足下にブラインドのような仕切りがありそれを下ろすと

誰からも見られることはない。

(こいつが想像しにくいと今日の話は伝わりにくいかも)


近江谷さんと僕はたっぷりの汗を流し

同じ分量のアルコールを流し込み

ほろ酔い気分でカプセルへ向かい

それぞれの番号のカプセルに収まった。


翌日はマチネだけど劇場までは10分で行ける。

ギリギリまで寝ていられる幸せと

酔いも手伝って僕はすぐに眠りについた。


真夜中。

トイレに行った。

そしてカプセルに戻ってきたのだが

暑がりの僕には我慢できないほどの暑さだった。

そう、季節は夏だったのだ。

僕は足下にある仕切りを下ろしきらなかった。

かといって全開にしておくのも何だし

半分ほど下ろした状態にして再び眠った。


何時くらいだろう?

明け方くらいだったか?


僕の足を誰かがトントンと叩いた。

僕は寝ぼけて目を覚ました。


ん?

近江谷さんか?

なんだろう?

もしかして寝過ごしたか?


慌ててカプセルから飛び出した。


目の前にいたのは近江谷さんではなかった。

メガネをかけた中年の男性だった。


寝ぼけていた僕は懸命に考えて理解した。

「あ!トイレに行って帰ってきたとき間違えてこの人のカプセルに入ってしまったんだ!」


僕は目も開ききらない状態で

「こりゃ、どうもスミマセンでした」

と誤りながらその場を去ろうとした。


が。

そのメガネさんは

「あ、いや、そうじゃなくて……」

と、モジモジしている。


何かを言いたそうにしているのだが

あまりのモジモジさに話を聞く気もおこらず

僕は頭を下げてその場を去り自分の番号のカプセルを探した。


ところが……。


あれ?

やっぱり、さっきの場所であってる。

あそこが僕の番号だ。


戻ってみるとメガネさんはいない。


……。


あ!


その瞬間にすべてが分かった!


足を“トントン”と叩かれたのではない!

足を“サワサワ”と撫でられていたんだ!


「あ、いや、そうじゃなくて……」

に続くセリフは

「一緒に寝ませんか?」

だったのだ!


うおーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!


危ねー!

危ねー!

岡田達也、大ピンチだったのだ!

男と遊ぶのは好きだが決してホモではないのだ!

添い寝してくれるなら可愛い女の子の方が良いに決まってるのだ!


僕はカプセルの中には戻らず

そのまま浴場へ向かった。



後で知った話だが。


その仕切りを“途中まで下ろしておく”というのは

そちらの世界での合図らしく

偶然にも僕のとった行為は

「どなたかいらっやいませんか?」

というお誘いだったらしい。

(すべてのカプセルがそうだとは思わないけど)


にしても。

知らなかったこととはいえ危ないところだった。



カプセルをご利用の男性諸君

仕切りは最後まで下ろしておくようにしましょう。






では、また。