ども、更新中の岡田達也です。






大阪に旅立つ前日

初代・迅助こと今井義博くんと『風を継ぐ者』を観た。

その後、彼が大好きな焼き鳥屋へ行き

結局我が家に泊まった。


翌朝、彼は言った。

「頭領(彼は僕をそう呼ぶ)、パソコン持って行きましょうよ(ニヤニヤ)」


僕は答えた。

「いや、でも、重くなるし……」


彼は食い下がった。

「僕なんかカメラを持たなきゃイケナイので

(今井くんは現在スポーツライターとして全国を飛び回っており

記事を書くだけではなく写真も自分で撮っているのだ)

もっと重くなるんですよ~♥」


僕はまだ抵抗していた。

「まあ、そうだけどね……」


彼は天性の太鼓持ち振りを発揮した。

「いやー、最近の頭領の日記は面白いですよ!」


褒められ好きな僕は黙ってパソコンをカバンに詰めてしまった。

(なんて安直な自分……)


結局

いつも持っているG-starのショルダーバッグに荷物をパンパンに詰め込み

パソコンをナイキのシューズ袋に入れて背中に背負えるようにした。

さすがにスーツケースではデカすぎるし5泊なら抑えを効かせた量にしたい。



そして大阪に向けて出発した。


我が家の最寄り駅から東京駅に向かうまでに僕は後悔を始めていた。

出掛けてわずか15分なのに。

シューズ袋の紐が肩に食い込むのだ。

痛いのだ。

しかも梅雨明けの気温も手伝って背中が汗だくになるのだ。

良いことは一つもなかった。

僕は東京駅のホームで呟いた。

「今井くんのバカ野郎……」


なんとか頑張って大阪に到着したものの

重さと痛みで気分がよろしくない。

が、この後Be-ingの三由さんと待ち合わせてご飯を食べる約束をしている。

それを楽しみに踏ん張ろうと自分に言い聞かせた。



待ち合わせは心斎橋のロフト(という雑貨のお店)の前で。

早めに着いた僕はロフトの中をウロウロしていた。


フト、何気に、無意識にカバン売り場に向かった。

本当に何も考えずに、だ。

(ここは強調しておきたい)

いや、もしかすると

「重い、痛い、助けてくれ」

という深層心理がカバン売り場に向かわせたのか?


目の前に小さなスーツケースが売られていた。


「セール!現品限り!」

の札が貼られている。


セール。


岡田達也はこの言葉に弱い。

(いや全国の大多数の人もそうだとは思うが)


しかもそのスーツケースは小さなサイズで

僕が持っていない大きさ

(ここ重要)

というのも僕の背中を押し始めていた。

「3~4日、実家に帰るときも使えるかもな……」


ああ、こんな言い訳を自分にし始めたらお終いである。


値札を観た。


5000円。


5000円という金額は決して小さい数字ではないけれど

他の商品に比べたら確かに安い。


売り場の前で5分ほどウロウロした挙げ句

僕は現品限りのスーツケースを持ってレジの前に並んでいた。


ああ、無駄遣い。



翌日、ちょっとだけルンルン気分で劇場にそのスーツケースを持って行った。

それを見た

M.O.P.の制作も担当しているマシンガントーク・はっしー・橋本香苗が言った。


「あれ?おっかーさんのスーツケース、私とお揃いです!」


なんだか訳も分からずダメ押しされた気分になった……。




達也汁  ~たつやぢる~






では、また。






追伸



『スキップ』でお世話になった北村薫さんが直木賞を受賞された!


先生、おめでとうございます!