ども、やっと洗濯ができた岡田達也です。






「ロン!

えーっと、リーチ、イッパツ、ツモ、タンヤオ、ピンフ、イーペーコー、ドラドラ……。

倍満で16000点!」

と、新宿歌舞伎町の雀荘で高らかに発声した真柴あずきさんから映画を薦められた。

(あ、麻雀の描写には深い意味はありません)

「たっちゃん、『小三治』って観た?

すごく面白かったよ。

時間があれば是非」


と一枚のチラシを渡された。

こいつは面白そうだ。

小三治ファンとしては見逃すわけにはいかない。

東中野駅前にある『ポレポレ座 東中野』というミニ・シアターに足を運んだ。


これが。

面白かった!

観ることができて本当に良かった!


内容は柳家小三治師匠のドキュメンタリー映画である。


鈴本演芸場の楽屋で

地方公演の控え室で

入船亭扇橋師匠と温泉で

ボツボツと語る言葉を紡いであるだけのもの。

ロングインタビューって感じではない。


あとは彼の趣味である

オートバイ(と小三治師匠は言う。決して「バイク」とは言わない)に乗ってる描写だったり

スキーを気持ち良く滑っている姿だったりが収められており

多趣味な小三治師匠の様子がうかがえる。


それと、もちろん、寄席での噺なども挟み込んである。


この作品、多くの方に観ていただきたい。


小三治師匠のファンでなくとも

芸事に携わっている人なら

必ず

必ず

何かしらの勉強になると思う。


この世界(もちろん僕の場合は演劇)に身を置いていることに

いつも何かしらの不安を抱えているのだけど

あんな大師匠ですら

あれだけの年輪を刻んだ人ですら

あれだけ多くのファンを持つ人ですら

同じような心持ちで闘っているという事実に安堵した。


そして、こう言った。


「“芸”なんてのは持ってる程度のことしかできない。

あとは“人”だ」


すごい言葉だ。


もちろん師匠の芸というは、はるかな高見にまで昇華しているものだと思う。

それでも自分は落語に不向きだと言い

弟子に教えてやれることなんて何もない

背中を見て育ってくれればいいと言う。


人を磨けば、自ずと芸も磨かれる。

逆もまた真なり。


このタイミングでこの作品に出会えて良かった。

つまりは

2日前に真柴さんと麻雀を打って良かった。

(あ、ここに繋がった)



そうそう。


映画の中で

小三治師匠の弟子である柳家三三師匠の真打ち昇進お披露目の口上も収録されている。

僕は鈴本ではなく池袋の演芸場で生で見ていた。

おそらくそのときのブログにも書いてるはずだ。

その三三師匠、キャラメルボックスの芝居も必ず観に来てくださる。


そして。

小三治師匠の身の回りを世話しているポッチャリとした青年が度々画面に映るのだが……。

彼は柳家三之助さんという

やはり小三治師匠のお弟子さんで、現在は二つ目として頑張っている落語家さんだ。

何を隠そう、その彼は

キャラメルボックスのハンドブック創生期を支えてくれた溝口くんという人物。

ハンドブックの時期だけネビュラプロジェクトに泊まり込んで編集作業をやってくれていた人物なのだ。

どういう縁でそうなったのか覚えてはないが

(多分、マックの使い手だったんだろう)

作り始めて3~4年、その時期だけ手伝ってくれていた。

僕も初期の頃はハンドブックの編集をやっていたので

彼の力を頼りにしていたのだ。

その彼がある時

「僕は落語家を目指しますので、お手伝いできるのは今年が最後なんです」

と言って別れたのが10年以上前のこと。

その彼が小三治師匠の元で元気に頑張っている姿も見られるなんて。


そんな嬉しい映像が入っているので

僕にとっては倍以上に楽しめた。


ああ。

長文になってしまった。

書くの面倒だから短くしたいのに。


最後に。

こちらがポレポレ座のアドレス。

http://www.mmjp.or.jp/pole2/


興味のある方は是非。






では、また。