ども、タイトルを打ちながら手が震えている岡田達也です。





昨日。

後攻の『ハックルベリーにさよならを』が終わろうとしていた。

僕は舞台袖で、戻ってくる面々を迎えようと待っていた。

本番を終えた汗だくのメンバーが戻ってくる。


「お疲れ様でした」

と声を掛けようとした。

その僕の後ろから

「お疲れ!」

と声が飛んできた。


ん?

聞き覚えがある声だ。

恐る恐る振り返った。


TK(タケオキクチではなくタカヤカミカワ)だった。


ヒョエー!

やっぱりたかやん先輩……、いやヤツだ。

ヤツが僕を始末に来たのだ。


それにしても何故、このタイミングで登場できるのだ?

終演した瞬間だぞ。

しかも舞台袖だぞ。

関係者以外立ち入り禁止の神聖な場所だぞ。

あんたは自由自在か?


僕も

「人類が生んだ最高傑作」

と言われているが、

さすがに先輩も

「アンドロイドが生んだ最高のメカ」

と言われているだけのことはある。




楽屋に戻った。


「何しに来たんですか?」

「来ちゃいけねーのかよ」

「舞台は?」

「さっき終わった。今日が千秋楽」

「なるほど。僕らはこれから打ち上げなんですけど」

「それに顔を出そうと思って」

「!(若干、顔が引きつっている)」

「なんだよ」

「いえ、なんでもないです(若干、震えている)」

「何時からだ?」

「7時です」

「今からどうするんだ?」

「一旦、ホテルに戻ります」

「お店は?」

「ホテルのすぐ側です」

「で、俺は今(この時点で6時)からどうしてればいいんだ?」


そんなの知らないよ!

パチンコでもマンガ喫茶でも行けばいいじゃないか!

せっかく名古屋なんだからシャチホコを観に行くとか。

腹が減ってるんだったらあんかけスパを食べるとか。


と、僕が思ってしまったのも仕方がない話だ。


が。
彼はそれを察知したようだ。


おもむろに右手を黒いパンツのポケットに突っ込んだ。

その手が何かを掴んだ。


あ、あれは!


デトニクスのスライドに

コンバットマスターのフレームを合わせた

ハイブリッドな一丁だ。

(TK談)


若干、小指を余らせながら握っているところを見ると

かなりコンパクトな銃のようだ。

だが、その小さなボディで45口径。

破壊力は抜群のはずだ。


断っておくが、この時点で銃の姿は見えてはいない。

が、ポケットに手を入れただけで、そこまで想像させてしまう。

恐るべき男だ。


もしも、もしも、本当にあのポケットの中に隠されているとしたら

どう考えても銃刀法違反だ。

そんな男を野放しにしておいて良いものか?

ここは身を挺してでもこの男の身柄を確保しなくては。


僕は流れる汗を拭きながら言った。


「打ち上げまで僕の部屋に来ますか?」


あ、あかん。

完全に呑まれている。

人類が生んだ最高傑作が。

なんと言うことだ。


「おう。おまえの部屋は臭くないのか?」

「若干、臭いかもしれません」

「仕方がないな」


そのあと、密室で二人がどう過ごしたのかは書くわけにはいかない。

僕が墓場まで持って行かなくては。

そうしなければ、僕の寿命は全うできないだろう。



とにかく一足早い打ち上げは(今日はバラシがあるのでできないのね)

無事に終わった。



生きてて良かった。











では、また。





追伸


いよいよ大千秋楽です。

お待ちしています。