ども、初日の翌日の」休演日という摩訶不思議な日程に体が驚いている岡田達也です。






でもでも、

最後の一週間の追い込みや

仕込みの過密スケジュールや

初日独特の緊張感など

体には刺激が強い日々を送ってきたので

休みがあるのはとても嬉しい。


夜から雨という予報なので洗濯は無し。

散らかし放題の部屋に「ゴメンね」の気持ちを込めつつ掃除機をかける。

(だったら片付けろよ、ちゅう話ですな)


折りたたみ傘を持って映画を観に行く。

三谷幸喜 脚本・監督 『ザ・マジックアワー』。




その前に腹ごしらえで

映画館の側にあるパスタの店へ。

初めて入るそのお店でメニューを手にする。


おお、なんと種類が豊富なのだ!


大きく分けても

クリームソース系

トマトソースト系

しょうゆ系

たらこ系

スープ系

などがある。


さらに、その中で具が違ったり、アレンジが違ったりするので

見開きページの中に15種類ぐらい掲載されているのが4面ほど続く。

単純計算で60種類以上ある。


こうなると、苦しい。

悩むのだ。


自分に決断力が足りないとは思わない。

そんなに優柔不断でもない。


だが、悩む。


しかし、この悩みは、わりかし楽しい。


メニューを見ながら悩む時間というのは

僕の場合、

頭の中で自分が食べているところを想像して

さらにその味がどんなものかを想像して

それで満足している自分を想像して

初めて合格となる。


そこまで達しなければ注文には踏み切れない。


それぐらい

美味いメシと美味い酒を楽しむ時間を大事にしている。


とは言っても、いつまでも考え込んでいるわけにもいかない。

映画の上演開始時間がある。


休演日で人と話すこともない、

という要素も加味して

“具だくさんのペペロンチーノ”というヤツを注文する。


で、ここから先が岡田達也の問題点だ。


メニューを手放さないのだ。


居酒屋などはメニューがテーブルに置きっぱなしだからいいけど

パスタのお店なんかだと店員さんが下げようとする。

「メニューをお下げしてもよろしいでしょうか?」

僕は、即、断る。

「スイマセン。もうしばらくお借りしてもよろしいですか?」


そこから僕はメニューを熟読する。

それまでは

「注文しなければ」

という時間の制約があるので“斜め読み”していたのが

今度は落ち着いて読める。

まるで哲学書を紐解くように読みふける。


もう頼んだのに。

どれだけメニューを見ようと、出される商品は変わることがないのに。

それでも僕はメニューを読む。


今までの人生でも何度も言われたことがある。


「メニュー、好きなんだね」


そりゃそうだろう。

一緒に店に入って、会話をするわけでもなく黙々とメニューを読む男。

そういえば大学時代の彼女はこの行為を嫌がっていた。

だから僕は読みたいのを必死で我慢していた。

そう考えると

もう20年以上も前からメニュー好きは変わってないのだ。


ね、変わってるでしょ?

きっと死ぬまで直らない気がする。

人間、おかしな癖(で、いいのかな?)があるもんだ。





では、また。





追伸


映画もパスタも大満足で、良き休演日になりました。

それにしても佐藤浩市さん、西田敏行さん、素敵。