カジノを含む統合型リゾート事業をめぐる汚職事件、中国企業と自民党議員の間の不明朗な金の流れが明らかになってきました。報道が事実とすれば、いとも簡単に違法な金を受け取ったり、接待を受けたりとその腐敗ぶりには驚かされます。

そもそもカジノがなぜ合法化されるのか十分な説明がないまま、数の力によって法律が成立しました。
刑法第185条の賭博罪の構成要件に該当するものを違法でないとするためには、その根拠が説明されなければなりません。競輪・競馬は公営であり、かつ収益が公共目的に使われることで、違法性が阻却されているのです。カジノは、民間企業により運営され、その収益の大部分は企業の利益となります。法律を作って様々な規制を行っているからといって、それだけで違法性阻却の根拠とはならないはずです。カジノ法そのものの刑法との整合性が問われなければなりません。
安倍総理は成長戦略で外国人観光客誘致のために必要だと強弁しますが、これも疑問です。日本には、歴史、文化、自然などのすばらしい観光資源があり、ラスベカスやマカオとは異なります。日本の限られた人的資源を、依存症などマイナスの大きいカジノのために投入することは成長戦略としても誤っています。カジノ先にありきで成長戦略は合法化するための名目でしかないと思います。

かつ当面3会場しか認められないとなると業者の選定そのものが利権化することは避けられません。ひとたび認定されれば独占的な利益を受けることができるのですから違法な手段を使う業者が出てきても不思議ではありません。今回の事件もそのような背景のもとで発生しました。いま有力とされる横浜や大阪は大丈夫なのでしょうか。

先を急ぐ安倍政権ですが、スキャンダルが発生した以上、通常国会において再度しっかりと議論すべきです。いまならまだ止められます。