米朝首脳会談開催が合意されました。世界が驚いています。

これから様々な困難が予想され、簡単には望まれるような合意形成はできないでしょう。しかし、激しい対立の時代から、わずかとはいえ、話し合いで解決の可能性が拓かれたことは評価すべきだと思います。もちろん、検証可能な形での核開発断念というゴールに至るまで、強い圧力を継続することは当然です。

韓国政府の北朝鮮への特使派遣によって、今回の南北合意に至ったわけですが、米国政府と韓国政府はあらかじめ緊密な連携を取っていた可能性が高いと推測しています。残念ながら、日本政府が今回の合意形成に関与していた可能性は低いと思います。

それにしても、北朝鮮は交渉上手です。今回のオリンピック以降の一連の出来事も、計算し尽くされたものであるとの感があります。トランプ大統領の置かれた政治状況や性格などを深く分析したうえで、米朝首脳会談をトランプ大統領が受け入れざるを得ない状況に追い込んだのではないかと想像しています。

重要なのはこれからです。米朝首脳会談に向けて、米韓両国政府は綿密に準備を進めるはずです。その際、日本も重要なプレーヤーとして、その作業に参加しなければなりません。そうしてこそ、日本の国益が確保され、拉致問題解決の道も拓かれるものと考えています。日本外交は正念場を迎えています。