先日、友人である欧州人がこう語っていました。「今まで、新年を迎えて、希望に満ちた年になることを希望、または期待してきたが、今年に限って言えば、そういった希望や期待は全く持つことができない1年ではないか」というものです。

確かに今、世界を取り巻く環境は大きく変化する、しかも悪い方に変 化する。そのような予感を持つ人は多いと思います。

すでに新年になって、例えば、20日にアメリカ大統領になるトランプ氏がツイッターで、トヨタ自動車のメキシコ工場建設について批判をしました。トヨタだけではなくて、米国のメーカーに対しても同じような批判をしているのですが、世界のリーダ国家である米国の大統領になろうとしている人が、個別企業を取り上げて批判をする。しかも、本来企業がどこに投資をして、工場を造るかということは、全くの企業判断であるにもかかわらず、それに介入する。こんなことは前代未聞です。

トランプ大統領のもとで、経済、そして何よりも安全保障がどうなるのか。私も含め、多くの人が不安を持って見守っています。

ヨーロッパも、フランス大統領選挙の結果如何によっては、EUの分断と解体が本格的に進んでしまうかもしれません。日本を取り巻く環境を見ても、中国の軍事力を誇示するかのような活動や、あるいは慰安婦に関する合意をめぐっての韓国の対応など、これからの1年が混乱の1年になってしまうのではないかということが懸念されます。

もちろん、悲観的になっても仕方がありません。大きな変化は、チャンスもでもあります。平和に、そして豊かに暮らすことができる日本を目指して、政治がしっかりと対応していかなければならないと改めて感じています。大きな変化の予感を前に、まさしく身が引き締まる思いです。