メルケル独首相─和解の問題など共通の基盤に立って話せる指導者-1

3月10日、ドイツのメルケル首相と40分近く会談をしました。彼女は久しぶりに日本を訪れたのですが、いろいろな予定をこなしながら、私のために時間を少し空けていただきました。

私が取り上げたのは和解の問題です。戦後70年ということで、まず日本の状況について、残念ながら、近隣の国々、韓国、中国と和解が進んでいるとは言えない。過去に例えば、村山総理や小渕総理、日韓関係については特に小渕総理がそうですが、和解の大変な努力をされた。しかしその後、それを否定するような有力な政治家の意見が出てきたりして、うまくいっていない。

もちろん日本側だけではなくて、韓国、中国側にも問題があるのだが、どうしてうまくいかないのだろうかと。ドイツの場合には近隣の国々との和解がうまくいっている。それはどうしてなのだろうか。ということを問いかけたのです。

あわせて私が少し申し上げたのは、ドイツの場合にはナチスとホロコーストという明白な犯罪行為があった。だからこそ、それにけじめをつけるということで、国民の意見が統一しやすいという事情が果たしてあったのか。和解を進めるなかでのドイツ国民のいろんな意見はなかったのか、ということも聞いたわけです。